リチウムイオン蓄電池の事故が増えています! メーカー指定品を使い、廃棄方法を必ず守りましょう!
■この記事のポイント
⚫︎リチウムイオン蓄電池、ニカド蓄電池、ニッケル水素蓄電池は、他の蓄電池よりも多くの充電が可能で、様々な家電や機器に使用されています。
⚫︎これらの蓄電池は多くのエネルギーを蓄えるため、取り扱いに注意しなければ大事故につながります。メーカー指定品以外の非純正(互換品)で事故が多発しています。
⚫︎不要になったリチウムイオン蓄電池は、お住まいの市区町村のごみ捨てルールに従って捨ててください。
⚫︎蓄電池を搭載している機器に破損や変形が見られたら、使用を中断してメーカーまたは販売店に問い合わせて下さい。

リチウムイオン蓄電池やニカド蓄電池およびニッケル水素蓄電池は、他の蓄電池(二次電池)よりも多くの蓄電(充電)が可能なため、さまざまな家電や機器に使われており、現代の便利な生活の中にあふれています。
蓄電池が使われている便利な機器
- ワイヤレスイヤホン
- ワイヤレススピーカー
- スマートフォンやタブレット端末
- 携帯電話
- デジタルカメラ
- ノートパソコン
- 加熱式または電子式タバコの加熱機器
- ハンディ扇風機
- コードレス掃除機
- コードレス電話機
- 空調服
- 充電式冷却器
- 電動キックボード
- 電動アシスト付き自転車

種類を挙げていくとキリがありません。それほど多くの機器に搭載され、充電することでコンセントから外して使うことで、暮らしが便利になっています。
反面、これらの蓄電池は多くのエネルギーを蓄えるため、取り扱いに注意しなければ大事故につながります。

粗悪品(メーカー指定品以外の非純正品)で事故が多発
通販サイトなどで、機器のメーカー以外の非純正(互換用)の蓄電池が割安で販売されていますが、製造工程が粗悪な場合が多く安全装置などが不適切で、出火や爆発の事故が発生しています。
先日、電動アシスト付き自転車用の蓄電池を、通販サイトにて指定メーカー以外の非純正(互換品)を購入し、機器の蓄電池として使っていると、爆発事故が発生しました。爆発事故で搭乗者は傷害を負いました。
蓄電池の破損や変形が見られたら…
蓄電池を搭載している機器に破損や変形が見られたら、使用を中断してメーカーまたは販売店に問い合わせて下さい。
① 蓄電池は充電と放電の繰り返す回数で劣化していきます。
② 使用条件は周囲温度が5℃〜35℃で、低温になると機能が低下します。高音になると著しく劣化が進み、変形(膨張)する原因になります。
③ 蓄電池は外部からの衝撃に弱く、破損で火災や爆発などの大事故が発生する恐れがあります。
①利用回数、②周囲温度、③落下や衝撃など与えないように3つの項目に注意して扱いましょう。


蓄電池の廃棄方法
リチウムイオン蓄電池は、破損・変形により、発熱・発火する危険性があり、多くの地域の廃棄物処理施設で火災等が起きています。
不要になったリチウム蓄電池やリチウム蓄電池を使用している製品は、ご家庭から出る場合は、お住まいの市区町村のごみ捨てルールに従って、捨ててください。また、事業所や工場から出る場合は、分別して、処理が可能な産業廃棄物処理業者に委託してください。

リチウムイオン蓄電池は、破損・変形により、発熱・発火する危険性が高く、それ以外の廃棄物に混入したリチウム蓄電池が出火原因となった事例が多数報告されています。
不要になったリチウム蓄電池や電池使用製品は、ご家庭から出る場合は、お住まいの市区町村のごみ捨てルールに従って捨ててください。
まとめ
蓄電池は現在の私たちの暮らしを便利にしている反面、扱い方を誤ると大事故につながります。
使い終わった蓄電池は必ずお住まいの市区町村のごみ捨てルールにしたがって捨ててください。
参考リンク
- 環境省 環境再生・資源循環 リチウム蓄電池関係:
https://www.env.go.jp/recycle/waste/lithium_1/index_00001.html
- JBRC 見分け方:
https://www.jbrc.com/general/distinguish/
- 大阪市環境局 リチウムイオン電池等の拠点回収を環境事業センターで開始します:
https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000602148.html
- 作成:令和5年8月2日
- 文:能登健
- 出典元:環境省、JBRC、大阪市環境局
- 画像:ぱくたそ