【位置情報共有アプリ】 Zenly(ゼンリー)が未成年を中心に人気! 利用中のお子さんはリスクを理解していますか?

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 スマートフォン用の位置情報共有アプリのZenly(ゼンリー)が女子高校生を中心に流行っています。
 位置関係を共有するが故に、人間関係の破綻に発展する事案が多いことで有名ですが、利用していないと「仲間はずれ」とレッテルを貼られ、多感な時期に疎外感を感じ、それもまた問題になります。

※このアプリの対象年齢は12歳以上です。

 ゼンリーはお互いに許可した相手との位置情報や、足あと(行動履歴)などを共有可能で、もともとは海外で親が子供との位置情報の把握のために開発されたものですが、日本国内では異なった流行り方をしています。

  • 女子高校生が主に使う目的
  • 彼氏・彼女の浮気防止
  • 友達との待ち合わせや合流などのトラブル防止
  • LINEする前にゼンリーで居場所を確認して、家にいると暇だとわかる
  • 近くにいる人を見つけたら合流することもある
  • スマホ紛失時の確認用
  • 高齢者の近親者の安否確認

 などが主で、友達とはどこにいてるかを問い合わせする事がなくなり、そこにいてるのなら、今からこうしよう的な位置情報の共有を応用した使い方をされています。
 常にどこにいてるのかを、ストーカー行為などの監視されているのと同じ状態になりますが、そのリスクよりも新たな利便性を活用されています。

ゼンリーは位置情報の共有と、メッセージの送受信のアプリ

 位置情報の共有している利用者との間で、地図上に表示される自分の現在地をしめす青い丸以外に相手のアカウントが表示されます。
 ゼンリーのメッセージ機能では、個別の相手やグループでのチャットも可能です。
 LINEなどの無料メッセージアプリがありますが、位置を確認しながらメッセージをやりとりする時にはゼンリーのチャットが便利です。

ゼンリーに無料通話機能はありません

 ゼンリーでは、LINEのように無料通話機能がなく、スマートフォンの音声通話機能が用いられます。

すなわち、ゼンリーで位置を確認しながら通話していたら、電話料金が結構かかる場合があります。通話料は無料ではない点に注意しょう。

安全性と危険性は?

 ゼンリーの安全性は、もともと子ども安全を守るために開発されたアプリですので、セキュリティ面では問題なく、位置情報に関しては、承認しあったユーザー同士でなければ分からないため、第三者に自宅が判明する恐れはありせん。

ですが、承認する相手はシッカリと判断できるかはユーザーの判断力になりますので、子供がすぐに知り合った方に承認する事はお勧めできません。

第三者からゼンリーに勝手に登録されそうになったら

 ゼンリーに自分で登録していないにも関わらず、初期設定の登録のための4桁の数字がSMSに送られてくるということがあります。その場合は、利用者が使っている電話番号を使って、第三者が登録を試みている可能性が高いです。
 知り合いの場合だと、それはそれで問題ですが、中には見知らぬ人から非通知電話がかかってくる事もあるので、応答せずに無視しましょう。知らない電話番号に反応しないようにする事が大切です。

ゼンリー利用でのトラブル例

 ゼンリーで追加申請をするとかなりの確率で、怪しまれます。多少の知り合い相手でも、ゼンリーを登録する前には双方の信頼関係による同意がないと難しく、同意の後でゼンリーの利用がきっかけで人間関係が壊れてしまう危険も高くなります。

 出会いどころか、ゼンリーを使ったせいで、彼氏・彼女との大切な人間関係が破綻したという事例もあります。

妹の友達は、彼氏のスマホにゼンリーを内緒で入れて、LINEでは「家にいる」って言っているのに、全然違う場所にいたら「ウソじゃん」って、浮気を発見された事があったようです。

SNSでよく散見される事例

※本人の同意なく位置情報を取得する事は禁止されています。

 リアルタイムに更新される位置情報で「ウソをついた」「ウソつかれた」こともすぐわかります。

 また、居場所がわかれば何をしているのかだいたいわかってしまうので、位置情報を共有する相手とは信頼関係があり、しっかりと同意して人間関係が壊れないように常に配慮した上で、ゼンリーを使うことをお勧めします。

四六時中、相手に居場所を把握されて行動監視されている事がわずらわしくなる場合は、居場所を偽装するゴーストモードもありますが、しばらく経つと行動から相手にはわかるようですので、位置情報を偽装したことでの人間関係の破綻につながる信用トラブルも発生しています。

居場所をシェアしていい信頼できる相手とだけ利用するアプリ

 今までありそうでなかった「どこにいるかわかるアプリ」のゼンリーは、メリットとデメリットをしっかり理解した上で使えば、とても便利で楽しい使い方ができます。
 ですが、人間関係の大切さやストーカー行為の恐ろしさを知る前の世代が利用することが多く、利用者には大きなリスクと隣り合わせであることは理解されていません。

ゼンリーのコンセントとして「大切な友だちと位置情報をシェア」とあるように、ご自分の居場所を伝えても問題ない間柄の相手や家族とだけで限定して使うのが良いでしょう。


まとめ

 アイスキャンディーのアイコンで、かわいい画面で未成年が興味を持って使用を継続するような演出をしていますが、同意した相手に位置情報を共有して、以前にはない既に居場所がわかっている上でのメッセージのやりとりをするため、かなり流行っているようです。

このような位置情報を共有するアプリを使用するにあたって、さまざまなデメリットがある事を理解した上で、使わなければ人間関係に影響が発生します。
また未成年の場合はゼンリーを使っていない事で、「仲間に入れてもらってない」という疎外感を感じて、位置情報の共有に安易に同意してしてしまって、後にトラブルになることも多くあります。

このゼンリーというアプリ自体が悪いのではなく、メリットとデメリットを十分に理解して、扱い方によってなんとでもなるのです。

本来の目的の位置情報を把握しておきたい基礎疾患をお持ちの方や、高齢者などの近親者が理解して使い、トラブルを避けるものですから、利用者の資質が問われるアプリになります。

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  • 作成:令和2年12月13日
  • 文:能登健
  • 出典元:Zenly
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)