SNSで個人アカウントが削除された…なぜ?

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 最近、SNSで長期間使用していた個人アカウントが、突然削除されたという話をたまに聴きます。さらに復元方法がわからないなど、SNSを運営する会社に問い合わせても納得のいく回答が得られず、復元を諦めた方の事例もあります。

子供の投稿に関連するアカウント停止事例

  • 児童ポルノ:肌の露出が多い子供の画像の投稿
  • 児童労働:仕事の手伝いをしていると誤解させる内容の投稿
  • 児童虐待:過度に子供の生活の画像を投稿
  • プライバシー侵害:青少年の画像を本人以外が画像を投稿し炎上

SNSのグローバル基準と、アカウントの削除

 そもそもSNSは、全世界で利用されていますので、日本の法整備に準拠するだけではなく、最も厳しい国の基準に準拠します。主なSNSの種類と運営会社と本社所在国は以下の通りです。

SNS名称運営会社本社所在国
LINELINEヤフー日本
Instagrammetaアメリカ
facebookmetaアメリカ
X(旧Twitter)Xアメリカ
※主なSNSの運営会社と本社所在国

 最近増加しているのは、Instagramとfacebook、messengerなどのmetaのサービスで、これらは当然ながら世界で最も厳しい基準の制限を準拠しています。例えば、肉親であっても子供の画像をSNSで公開することはEUでは児童犯罪になりますので、アカウントは処分としてmetaの全てで削除されます。

※meta社の利用規約より

プライバシー侵害と、アカウントの削除

 10代の青少年の場合は子供のプライバシー侵害となり、肉親であっても勝手に投稿することは許されません。その投稿がキッカケとなり未成年がトラウマを負うような混乱に巻き込まれることを防ぐため、利用規約では禁止されています。

※meta社の利用規約より

途方もない復元手続きと、有料サービスの利用

 復元を申し立てようにも、日本法人では判断できなく、またログインしなければサポートも受ける事ができません。
 アカウントが凍結や削除などの処分された後に、metaの他のサービスでアカウントを作ったとしても、名前、画像、電話番号認証、メールアドレスなどでアカウント作成が出来ません。
 ただし、metaの有料サービスを使っていると、アカウント処分前に連絡が来たり、改善方法を相談したり出来ます。要は、SNSの運営会社は営利事業なので、犯罪の疑いのあるアカウントは徹底的に削除して、無料で使わせないようにしています。

無料システムの軽視が招く規約違反

 無料で利用していてアカウントが削除されて、復元をされる場合は、アメリカのSNS運営会社との交渉実績がある弁護士に依頼して、弁護士間で解決するしか今は手段がありません。
 そもそも無料のシステムに大きく依存している図々しさを棚に上げて、騒ぐのはいかがなものかと思います。metaに限らず、Xも同様で無料ユーザーには容赦なくアカウント凍結・削除をします。回避する方法は、何か起きる前に有料プランを利用するか、分野の実績のある弁護士に相談しておくことをお勧めします。

※meta社の利用規約より

まとめ

 SNSにアカウント登録すると、全世界の登録ユーザーとつながる反面、日本の価値観や法的解釈が通用しないグローバル化(国際化)の容赦ないシステムにつながり、個人や肉親、他者への配慮の習慣を見つめ直す必要があります。

 知り合いから誘われ、無料で利用しているからと、国際的な利用規約を無視して、自らの都合の良い主張の投稿やコメントは、他者へのさまざまな配慮がないとして通報や巡回システムなどに問題視され、アカウントの凍結・削除の対象とされます。

 無料のシステムだからと軽視して、他者への配慮を欠くような国際的な規約を無視し、自らの経験や都合の良い判断だけで、インターネットなどの他社や国際的に繋がっているシステムを利用することは、いずれは現実世界でもトラブルに巻き込まれ、社会的なペナルティを背負うことになるでしょう。

 令和の時代では、このようなコミュニケーションツールを利用規約を理解する努力を惜しまず、自らが関わる事柄に対してリテラシーを常に向上させ、時代の変化に追従することが求められています。

  • 作成:2025年6月27日
  • 文責:能登健
  • 出典元:meta、X、LINEヤフー
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    消費者トラブルと、デジタル分野に詳しい、大阪で活躍するファイナンシャルプランナー/消費生活コンサルタント
     
    主にスマホ料金相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
    不当な契約があれば解約の上、行政の消費者相談窓口を案内している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。

    社会課題を解決するために、問題と向き合い深掘りし、組織を横断して、時には政府に意見し、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、消費生活コンサルタント(一般財団法人 日本消費者協会)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)