なぜ分数が苦手になるのか?

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 義務教育の過程で、数学に苦手意識がある方が多く、そのまま高等教育へ進み社会人となると、数学が苦手なばかりか、自然科学分野の物理分野の知識が乏しく、論理的思考が苦手で、一般的な事項と具体的な事項の分類分けが苦手(普通の話に特殊な事例を説明に使う等の無駄な時間)になり、社会人になってから会話の理解力や学び直しや生涯教育に大きなハンディキャップを背負うことになります。

 諸説ありますが、一番大きな影響があるのは、昭和の時代から全国の教育大学の出身者の教員が教育現場で優遇されて、派閥が発生しており、それが今もなお継続していることにあります。
 教育大学よりも難関である理数系国立大学の大学院出身者であっても、職員会議等で不当な扱いが起きており、高度な人材が外部へ流出する要因となっています。

 教育大学は、教育学部等で数学や物理等の自然科学分野についての応用や、三角関数、対数関数、虚数、微積分を使い自然科学現象すなわち物理現象の解明の道具として、理数系分野を理解している事は稀です。
 したがって、理数系の目的が明確にわからない教育者が、現場で教壇に立っている事が、数学の苦手意識に繋がり、負の連鎖になります。


 数学に限らず、自然科学分野の高等教育では、1度目の問題を解くのには時間を要しますが必ず粘り強く解き、2度目以降は1度目よりも解答に導くまでに時間を短縮できます。
 そしてさらに回数を重ねる事で、ルーティン化できます。また何が必要であるかもすぐに理解できます。

 この手法を社会に出てから業務に活かせば、とても合理的でかつ精度が高く、スピード感がある判断が可能です。
 これが業務に限らず生活の中で重要な課題認識力と課題解決力であり、先進国で著しく日本の労働生産性が悪い要因です。

 日本国内においても、優秀な人材は職場環境や待遇が良い組織へヘッドハンティングされ、行政機関を含めてあらゆる組織では、生え抜き人材は組織政治と出世ばかりに関心があり、成果には関わりがありません。
 仕事のための仕事を作り出している、組織に対する背任行為であり愚の骨頂です。負のスパイラルは、情報活用をあきらめて無関心に陥り、情報格差で格差社会を増大させるメカニズムになっています。


まとめ

 分数を始め、数学の苦手意識の原因の1つと、粘り強く解決する事の大切さはご理解いただけたと思います。理解できた方は、数学の苦手意識の解決を教員に求めるのではなく、試行錯誤する事で解決するしかありません。

 ご自身の能力向上を古い労働モデルを経験値で断定的表現にて強要して自由にさせてくれない方とは程よい距離感で接して、ご自身の課題に向き合い解決していく、それこそが、論理的思考のトレーニングであり、深く考えて問題を解決する事そのものなのです。

  • 作成:令和元年11月19日
  • 文:能登健
  • 絵:いらすとや

能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)