あおり運転等の自動車運転中に起因するトラブルの損害保障

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 世間ではあおり運転で相手を一方的に暴行し、刑事事件の傷害の疑いとして全国指名手配され、逮捕された事件が報道されています。

 そこで気になるのが、自動車運転中であるが、交通事故ではない(接触していない)場合に、自動車の運転中に起因する事故や事件の損害について、被害者の保障はどうなるのか心配な方が大勢おられると思いますので、筆者の体験談を紹介します。

筆者のトラブル対応体験談

 私は昨年に、前方停車中の車に、私の車の衝突回避軽減ブレーキの機能で停止して、前方の車に接触していないにも関わらず、説明するために降りたところを、相手から暴行されました。
 また、相手(助手席の同乗者を含む)から接触した事を強要させられそうになり、交通事故として警察へ連絡している最中に、相手は意味不明な発言をして、途中で逃げて信号無視して視界から消えました。

 その不法行為の一部始終の様子は、私の車の前方用のフルハイビジョンのドライブレコーダーに保存されており、録画中である事もトラブル中に相手に伝えていましたが、全く気にする様子はありませんでした。相手は終始、言動と動作が不可解でした。

 その後は医療機関を受診して診断書を受領して、警察へ報告して、後に告訴状(刑事事件として起訴を強く求めるもの)を警察署へ提出し、あっさりと加害者が特定され、警察から検察へ送検され、刑事犯罪として処罰されました。

刑事事件と民事紛争

 刑事事件は、司法機関(警察から検察)が罪を犯した者を裁くもので、警察や検察の捜査、裁判等の全ての費用は、国費で進められます。

落ち度のない民事紛争に弁護士費用特約

 一方で、互いの損害を賠償請求などするものは民事となり、民事の紛争は全て自費となります。一般に、弁護士への着手金などの費用がかかることで、被害を受けた上に泣き寝入りする事が多くあります。

 ですので、自動車保険の弁護士費用特約の使用可否を保険会社へ相談したところ、社会問題化している背景もあり、自動車運転中に起因する事故であるため、弁護士費用特約の対象になると心強い回答がございました。
※全ての事案や保険会社が、同様の対応をするかわかりません。

 自動車保険の弁護士費用特約とは、被保険者に落ち度がない事故に対して、保険会社が民事の共同賠償責任を負わないので、加害者に損害賠償請求をするには、弁護士に相談や委任する必要があります。
 補償費用の対象は、弁護士費用(相談、着手金、請求される報酬など)と、裁判費用です。
※私の事案での弁護士費用特約の保障範囲は、弁護士費用(加害者との交渉、訴訟から債権回収完了まで)と裁判費用でした。


まとめ

 まず怪しい事案の場合は、ドアをロックして窓を閉めて、車内からすぐに警察へ連絡しましょう。決して窓を開けたりドアロックを解除してはいけません。スマホで動画撮影をして証拠をしっかり収集してください。

 実質的な負担が少ない場合で、通院や私の方で用意する資料や、被害者として刑事事件での警察への数回の訪問と検察への被害者連絡制度の個別問い合わせ(加害者の氏名と住所等)が必要であったため、心労は長期間に及び重く大きかったです。

 弁護士費用特約がなければ、あたり屋のような話が通じない相手には、損害賠償請求が難しく、さまざまなあおり運転等の自動車運転中に起因する事故に対応できません。
 また、高画質のドライブレコーダーを前後に装備しておく事で、日頃から安全運転するようになり、万一のトラブル時も事故の経緯の証拠が記録されます。
 刑事罪が確定→民事の損害賠償請求(治療費、慰謝料、遺失利益等)で進めると比較的スムーズです。

 自動車を運転する機会のある方は、必ず弁護士費用特約と前後にドライブレコーダーを用意しておく事を強くお勧めします。
 トラブルに巻き込まれたとしても、負担を最小限にして、日常を保つ事ができます。

  • 作成:令和元年8月30日
  • 文:能登 健
  • 画像:いらすとや、ぱくたそ
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)