【道路交通情報 VICSが高度化】 カーナビ案内の精度が向上! 活用次第でCO2削減!
カーナビゲーションに表示される交通情報は、FM多重放送やカーナビ固有の通信機能による個別の表示などがありますが、ほとんどの方が利用されている交通情報がVICSです。
VICSとは
「VICS(ビックス)」とは、渋滞や交通規制などの道路交通情報を、FM多重放送やビーコンを使ってリアルタイムにカーナビに届けるシステムです。
VICS情報は24時間365日提供され、カーナビによるルート検索や渋滞回避に活用されています。VICSは、ドライバーのニーズに即し利便性を向上させるとともに、輸送時間の短縮によるコストの削減、的確な状況把握による安全性の向上、交通の円滑化による環境の保全等を可能とし、ひいてはゆとりある国民生活の実現と社会経済の発展に寄与することを目的としています。
高速道路や一般道路での渋滞をなくし、交通事故を減らし、道路環境を改善することは、現在世界各国が抱える共通のテーマとなっております。
出典元:VICSセンター
こうした状況の中、ドライバーの適正なルート選択を促し、快適でスムーズなドライブをサポートするVICSは、交通流を適切に分散させ、道路交通の安全性や円滑性を向上させ、さらには道路環境を改善するシステムとして活躍しています。
VICSを受信するには
VICS対応カーナビ、FM多重アンテナなどで構成されます。VICSを受信すると、受信した時刻が表示されます。
プローブ情報を活用した道路交通情報システム
「プローブ情報を活用した道路交通情報サービス」とは従来VICSが提供してきた「感知器から収集した道路交通情報」に加え、「道路を走るクルマ(いわゆるコネクテッドカー)からの情報」も収集することによって、より多くの道路交通情報を提供する、VICSとJARTIC(公益財団法人 日本道路交通情報センター)の新たな取り組みです。
2020年4月より、関東1都6県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)でその実証実験がスタートし、「到着予想時刻のズレ改善」や「ルートの最適化」など渋滞を減らすための効果が、各地で確認されはじめています。
実証実験の対象地域を、2022年1月13日(予定)より、関東 1都6県に加え、札幌エリア、愛知県、大阪府へ拡大されました。
実証実験エリアは、今後も順次全国へ拡大予定
北海道:札幌エリア
関東:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
東海:愛知県
近畿:大阪府
活用する「プローブ情報」とは
プローブ情報は、トヨタ、日産、ホンダ、パイオニアの4社が、専用の通信ユニットを搭載したカーナビやコネクテッドカーの通信で収集した、プローブ情報から作成した総合化し、従来の道路情報(道路のセンサーで感知した情報)を、精度を向上させる目的で「補完・補強」された情報は、従来のVICS情報と同じくFM多重放送にて受信可能です。
クルマからの通信によるプローブ情報収集による補完で、従来では交通情報が表示されなかった道路であっても、VICS交通情報が表示され、より精度の高いルート案内が可能になります。
プローブ情報の活用によるVICSの効果
VICSの設備を道路に設置することなく、クルマのプローブ情報を活用することで、容易に交通情報の対象道路が増加します。
新しく交通情報が得られたことで、目的地までの最速のルートの精度が上がり、燃料消費の軽減、温室効果ガスの排出量軽減、なによりも早く目的地に到着することで、時間が短縮されます。
温室効果ガス排出量軽減の取組み
クルマを取り巻く環境は過渡期あり、環境対策車として、エンジンを発電機とした電気自動車(HEV)や、従来のエンジンは搭載されず電気をバッテリーに充電することで走行するエネルギーを蓄えて走行する電気自動車(BEV)などが代表的です。
水素を燃料とした燃料電池電気自動車(FCEV)や、従来のエンジンの技術を応用した水素を燃料としてエンジンで走行する水素エンジン自動車など、さまざまな技術があります。
今後の技術革新で、電池の体積あたりの蓄電容量が劇的に増大するなどが起きない限り、移動時の走行計画を精度の高い情報でサポートすることで、燃料と温室効果ガス排出量の軽減効果を達成するしかないようです。
電気自動車だからといっても、製造過程で発生する温室効果ガスの排出量は従来の自動車と比較して、約10万km以上を走行しなければ、効果がないといわれおり、さらに走行計画がデタラメであれば、ムダにエネルギーを使うことになります。
新しい環境対策された自動車で走行するだけでは、温室効果ガス排出量軽減はできなく、高度化された道路情報を活用することで、燃費の良さを実感できるはずです。
それであれば、従来型の自動車でも同じですので、運転する皆様が温室効果ガス排出量軽減に配慮し、どのように対策するかを無理なく工夫することで、少しずつですが温室効果ガスの排出量は軽減されていきます。
まとめ
温暖化対策に、0%か100%で考えるのではなく、10%や20%の環境への貢献であっても、それは習慣となって必ず成果が現れるものです。
できる事から始めるために、今まだ利用可能なものを見直して、最大限活用しましょう。
参考リンク
- VICSセンター(一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター):
https://www.vics.or.jp/ - プロープ情報を活用した道路交通情報サービス実証実験スペシャルサイト:
https://www.vics.or.jp/everyone/special/
- 作成:令和4年3月21日
- 文:能登 健
- 出典元:VICSセンター(一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター)
- 画像:いらすとや、ぱくたそ