スマホのバッテリーの性能を低下させないためにできること

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この記事のポイント
⚫︎スマホのバッテリーの性能を低下させないためには、① 満充電の期間を短くする② 高温の場所に放置しない③ 過放電状態を避けることが重要です。
⚫︎リチウムイオンバッテリーは法律でリサイクルが義務付けられています。
⚫︎スマホのバッテリー交換が必要な場合は、製造メーカー、販売店、修理業者が選択肢になりますが、必ず総務省登録修理業者であるかを確認してから修理を依頼しましょう。

スマホのバッテリー性能の低下させる要因

 スマホを2〜3年間使っていると、バッテリーの持ち時間が短くなっていきます。

 スマホには、リチウムイオンバッテリーが使われています。

 このバッテリーの性能の低下は、充電と放電(充電後にバッテリーだけで使用する通常の利用方法)の回数と、使用期間で決まります。

 100%まで充電し、0%になるまでを1回とした場合、毎日充電することを考慮すると2年で700回程度になります。※100%→20%で80%、翌日の100%→80%で20%の合計100%として1回とカウントします。

スマホのバッテリー性能を誤った使い方で低下させないために

 スマホのバッテリー性能の低下の通常要因は、前項で述べた①充電と放電の回数②使用期間です。

 ただし、以下の通常利用から逸脱した誤った利用方法で使うと、バッテリー性能の低下が著しく速くなります。

満充電の期間を短くする

 スマホのバッテリー性能の寿命を低下させる要因のひとつとして、“充電が100%の状態を継続する”ことです。100%まで充電が完了されており、さらに充電を継続することを“過充電”といいます。過充電は電池の異常発熱を引き起こし、発火につながる場合もあります。

 最近のスマホでは、スマホ側で80%〜90%までで充電を停止する“過充電防止機能”が付いています。

 “過充電防止機能”をオフにして、充電しながらスマホで動画やゲームなどをしていると、発熱しバッテリー性能の寿命を低下させますので、気をつけましょう。

高温の場所に放置しない

 リチウムイオンバッテリーの最高許容温度は45℃で、スマホ本体は0〜35℃の場所で利用するように取扱説明書の動作条件に記載されています。
 低温下や高温下では温度調整のためにスマホ本体の動作が不安定になることがあります。極端な高温下でスマホを使うとバッテリー性能が悪くなることがあります。

 駐車中の車内などの暑くなる場所、直射日光に当たる場所での放置は、スマホ本体が高温になり、バッテリー性能の寿命に悪影響を与えますので、高温下でのスマホ本体の放置は避けましょう。

 スマホを衣服のポケットの中に携帯する場合は、体温で周囲温度が上昇する場合がありますので気をつけましょう。

 スマホ本体の温度が上昇した場合は、スリープモードか電源を切って、しばらく直射日光を避けた涼しい場所に保管しましょう。

過放電状態を避ける

 スマホ本体のバッテリーが0%で長期間放置すると、リチウムイオンバッテリーの寿命を縮めるひとつの要因になります。

 リチウムイオンバッテリーは化学反応を応用した電池ですので、電源を切って使用していない状態であってもわずかに自然放電はしています。

 スマホ本体の充電が0%が継続されることで“過放電”が起こります。過放電状態が継続すると、必要最低限の電圧を下回る深放電状態になります。深放電状態になると再度充電することは難しくなります。

 スマホ本体をしばらく使用しない場合は、50%程度充電がある状態にしてから長期保管するようにしましょう。

リチウムイオンバッテリーについて

 リチウムイオンバッテリーのリサイクルは法律で義務付けられています。必ず不要になった場合は家電量販店などで回収してもらってください。

 ゴミとして出した場合は、発火などの火災事故が発生する場合があります。

スマホのバッテリー交換は

 スマホのバッテリー交換が必要な場合は、製造メーカー(Appleなど)、販売店、修理業者が選択肢になります。

 スマホは通信機器ですので、総務省登録修理業者でなければ、改造とみなされメーカーの保証が受けられなくなるばかりでなく、電波法違反に問われる可能性があります。

 スマホの修理業者には、堂々と無許可の店舗がありますが、違法な改造になります。
 無許可のスマホ修理業者で修理すると、違法な改造をした通信機器を使うことになりますので、必ず総務省登録修理業者であるかを確認してから修理を依頼しましょう。


まとめ

 スマホの性能向上は以前より落ち着き、買い替えする必要も少なくなってきました。
 物価高騰でスマホ本体の価格が上がったことで、バッテリー交換をしてスマホを使い続ける方も増えています。
 スマホのバッテリー性能に悪影響する要因を理解して、少しでも長持ちさせて賢く使いましょう。

参考リンク

  • 作成:令和5年6月28日
  • 文:能登 健
  • 出典元:Apple
  • 画像:ばくたそ
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)