行政や関連施設でのイベントだから、信用しても大丈夫?

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 行政や関連施設での貸し会議室で、いろんな事業者が説明会やセミナーなどの催しものに使われる事は、よく知られています。
 ですが、その事業者が悪質業者であることも時々あるのです。特に資格商法や連鎖販売取引、高齢者を狙った催眠商法などの悪質商法の会場に使われていることがあります。

 実際に、参加して誤った内容や矛盾について質問すると回答することを避けて、その事業者は急に片付けて撤収を始めます。

 一般消費者は、行政や関連施設を会場として実施されているから、悪質業者はいなく安心だと思って、参加することを狙った悪質な事例があります。
 ですが、その行政や関連施設を管轄する担当部門は、貸し会議室の利用申し込みをした事業者や利用内容を個別に確認しません。

 ですので、行政や関連施設を利用した、悪質商法が後を経ちません。
 参加して会場に行って話を聞いていて何となく違和感を感じて、勘の鋭い人なら気がつく程度で、ほとんどの一般消費者は信用してしまいます。


私の体験談

 私は実際にある文部省後援とされる健康関連の資格商法について、テキストの記載内容が、たまたま直前に入院した糖尿病の教育入院で得た知識の内容と、明らかに異なる数値の記載があったので、質問するとその事業者は回答をはぐらかせて、撤収を始めました。
 また、その会場にて通信教育と試験申し込みをすると、試験直前講座が無料になると説明して、後方に座っていた、事業者のサクラと思われる方が数人申し込みをされ、今申し込まなければもったいないと言わんばかりの雰囲気を作り出していました。
 その事業者は今でも同様に活動しています。


まとめ

 行政や関連施設で実施されるから、悪質商法や、特定の事業者への利益誘導はないはずと、思い込む方が多いと思いますが、油断は禁物です。
 普通の施設で行われるのと同じように、悪質商法には警戒してください。

 何か不審に感じた場合は、消費者ホットライン:局番なしの188(いやや)へ連絡してください。

  • 作成:令和2年2月25日15時
  • 文:能登健
  • 絵:いらすとや
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)