【新料金プランに注意】 スマホの新料金プランなどの20GBの低価格実現のカラクリ

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 令和2年12年3日に、NTTドコモから、わかりやすい新料金プランのahamo(アハモ)の導入予定を発表されました。

 先立って、ソフトバンクはワイモバイルから、auはUQモバイルからそれぞれの主力ブランドではない、サブブランドで20GBの新料金プランの導入予定を発表しています。

NTTドコモの新料金プラン(アハモ)が利用条件と照らし合わせて、今までの価格帯の想定を超えている低価格であるため、みなさまは関心を持たれていることと思います。

 これは、総務省の令和2年10月27日に公表された、「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」の公表に基づく対応で、高速通信の契約容量が中容量の20GB以下を電気通信事業者大手3社に求めた結果です。

総務省 モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」の概要
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 前述のアクションプランの基本的な考え方は、① 利用者が市場とサービスの現状について理解を深め、自らのニーズに合ったプランを選択することを可能とする観点からの「分かりやすく納得感のある料金・サービスの実現」、② MNO-MVNO 間及び MNO 間の競争により料金の低廉化やサービスの多様化を促す観点からの「事業者間の公正な競争の促進」、③ 競争により実現した多様なサービスやプランを利用者が自由に選択し、できるだけスムーズな形で乗り換えることができるようにする観点からの「事業者間の乗換えの円滑化」を3本柱として、それぞれ具体的に記述されています。

なぜ、NTTドコモが主力ブランドで、先行した他社よりも低価格な新料金プランを発表できたの?

 電気通信事業者の通信サービスは、広く消費者から契約を締結するために、代理店制度を利用してサービス網を広げています。
 代理店は、1次代理店から3次代理店まであります。

※以下の代理店への消費者の支払額の利益配当のビジネスモデルは、マスコミなど他のコメンテーターや記事では、大きなビジネスモデルに忖度して、消費者の不利益が発生して、法令遵守や意に反して一切論じていません。
 私が総務省の資料と、実際に代理店をされている複数の経営者に直接ヒアリングした内容に総合的に基づく内容です。

 例えば1次代理店が消費者と契約変更などをすると、他店で契約変更や解約があるまでは、消費者が電気通信事業者(通信サービス会社)へ毎月支払っている利用料金から、30%程度の利益配当などが、その1次代理店へ支払い続けることになります。

 それが3次代理店が契約変更をした場合だと、1次代理店に10%程度、1次代理店傘下の2次代理店に10%程度、2次代理店傘下の3次代理店に10%程度の利益配当など、消費者の支払った利用料金から合計30%程度が、電気通信事業者(通信サービス会社)から支払いされ続けられます

これは、特定商取引の連鎖販売取引によく似ています。みなさまには「いわゆるマルチ商法」といえばわかりやすいと思います。

 この仕組みは、総務省の「電気通信事業法の消費者保護ルールのガイドライン」の「第7章 媒介等業務受託者に対する指導等の措置(法第27条の4)関係」に代理店へ業務委託を図示されています。
 総務省の図では、連鎖販売取引のように思わせないように、縦の三角形ではなく、横に図示していますが、左の電気通信事業者を頂点に業務委託している代理店が増えているのがわかります。

総務省の「電気通信事業法の消費者保護ルールのガイドライン」の「第7章 媒介等業務受託者に対する指導等の措置(法第27条の4)関係」に代理店へ業務委託を図
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仮に、代理店を排除して、電気通信事業者が消費者と直接契約すればいくらになるの?

そこで、酷似している内容のNTTドコモのアハモと、ソフトバンクのワイモバイルを比較し考察しました。

 異なる点は、次の3点です。前者がアハモで後者がワイモバイル です。

① オンラインのみで契約が完結するか、代理店を持っているか。
② 国内通話無料が5分間または10分間
③ 月額料金が2,980円または、4,480円

 まず、ワイモバイル4,480円を、①に注目して代理店がない直接のオンライン契約で、代理店の配当を排除した場合は、−30%程度と考えてます。

 よって、次の様に算出可能です。
 4,480円×70%→3,136円
 代理店への送金などの事務費用を差し引くと、アハモの2,980円の解が自然に導き出されます

 消費者が代理店がある事で30%を余分に支払っていることが、通信サービスのビジネスモデルが特定商取引法の連鎖販売取引に酷似している点です。また代理店側も法令遵守より利益優先になる理由です。

代理店で禁止行為で騙されたりして嫌な思いをしているのに、今までは30%程度を強制的に余分に支払わされていたのです。
そして今もその余分な代理店への配当は続いているのです。

通信料金の値下げは、悪質な代理店への法規制の形骸化に見限った対策

 国民生活センターで全国の消費者センターなどの消費者行政から問い合わせがあった件数は、通信サービスが他の分野と比較して圧倒的に多く、法改正で禁止行為が定められても、勧誘や契約などで禁止行為が続き、消費者トラブルが増大しています。
 前述の総務省のアクションプランには、規制の強化が盛り込まれております。

 NTTドコモのアハモの新料金プランは、全てがオンラインで完結するため、代理店を排除した事で悪質な代理店を排除して、代理店への利益配当などを削減した当然の結果なのです。

 スマホが普及している現状の多くの消費者にとって適切であり、利益配当などが少なくなった、消費者に選ばれない悪質な代理店を淘汰していくための手段なのです。

利用方法の多様性

 全ての方がオンラインで済ますことは現実的でないことから、NTTドコモは従来の代理店でのサービスを継続しますが、料金は下げる方向で12月中に発表予定です。

消費者に選ばれない代理店は残れなくなり、禁止行為をする悪質な代理店は淘汰されるでしょう。


まとめ

 最大手のNTTドコモが、オンライン契約などを理解できる消費者にとって不要な代理店を排除したことで、今後はauとソフトバンクも追従せざる得ません。

 直近の令和2年4〜6月の家計支出の内訳では、通信サービス関連が8%程度となっており、以前より増加しています。

 消費者が今起きている深刻な問題を理解することで、家計の支払いが減るのであれば、自分自身のために理解を深めて、適切な利用方法をすることが期待されます。

関連リンク

  • 作成:令和2年12月4日
  • 文:能登 健
  • 出典元:総務省、NTTドコモ、au、UQ mobile、ソフトバンク、ワイモバイル、楽天モバイル
  • 絵:いらすとや
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表、ファイナンシャル・プランナー、グラフィック・デザイナー、エンジニアリング・アドバイザー、システムアドミニストレーター、相続診断士、お客様対応専門員(CAP)、消費者啓発活動ボランティア、課題解決型・組織横断型地域ボランティア