【通信料金の値下げ】 大手通信3社などのスマホ新プラン(20GB)の比較

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↑各社の20GBの新料金プランの比較

 令和元年にスマホを中心とした通信サービスの電気通信事業者の高い利益率に対して、国民が世界的に見て高額な通信料金を支払ってる事を問題視した事で、料金プランの改定がありました。ですがその実態は複雑な達成条件をクリアしていなければ実現不可能で、達成条件をクリアするために代理店などでは、消費者が利用しない契約まで勧められて契約して、それが「行きすぎた囲い込み」となり社会問題になりました。
※利用者の利用実態などに配慮しない勧誘や説明、契約は「適合性の原則」から逸脱しており、電気通信事業法で明確に禁止されています。

要は政府の値下げ要請に便乗して、料金を複雑化して必要かわからないプランを消費者に契約させることに悪用していたのです。

 当然ながら、消費者トラブルが多く発生して、国民生活センターの統計では増加しています。この悪質な電気通信事業者に対して、行政処分は少なく、法規制が形骸化されていました。

オンライン手続き限定のシンプルな料金プランが登場

 令和2年に政府から、消費者保護と消費者に納得感のある通信料金に是正するように要請され、携帯電話大手3社がシンプルな条件で利用できる20GBの料金プランを発表しました。

 ですが、店舗での取扱いはなく、オンライン申し込みで、サポートはオンラインでの問い合わせのみに限定され、インターネット決済などに馴染みがない方は、従来通り代理店などでの料金プランに頼るしかありません。

 毎月の通信料金が8,000円程度から2,980円に下がったとした場合、一年で60,000円程度の支払いが減ります。2年の24ヶ月では、12万円程度になり、最新のスマホが差額だけで入手できる程度の節約が可能です。

 通信のオンライン契約は、度々するものではなく慣れていない理由で消極的になりがちですが、支払額が圧倒的に違うため、対面や電話問い合わせが必要でない限り、オンライン手続きのプランにした方が良いでしょう。

本体販売と通信サービスは法改正で完全分離されています

スマホの通信サービスは、スマホ本体販売と、通信サービスは法改正で完全分離されているのをご存知でしょうか?

 iPhoneなどのAppleの製品は、Appleがアフターサポートをします。代理店では一切していません。また、代理店ではAppleの希望小売価格より高額な販売価格で販売されているのをご存知でしょうか?実は代理店では、希望小売価格にさらに利益を上乗せして販売しているのです。代理店などの電気通信事業者は、通信サービスを中心に提供しており、iPhoneなどのスマホ本体の操作方法やアフターサポートは、本業ではありませんので不得意または、できません。通信サービスの契約は、あくまで通信だけに限ったことで、本体の操作方法はメーカーなどに問い合わせすることが望ましいです。

代理店に質問しにいくと、知らない事を利用されて、不要なサービスを勧誘される場合があります。


料金プラン比較表の考察

 まず発表内容を見て気をつけなければならないのが、auが2,480円で「他社より低価格!」をアピールして、他社のように無料通話5分を付ければ同じ価格になります。わざわざ他のオプション契約を選択する機会が発生する仕組みなっています。
 この発表内容を見た総務大臣が、「他社より低価格」で誘導して他のオプションで困惑させる従来のと変わらない誇大広告のようで姑息(こそく)だと批判されてました。
 大手3社は一見同条件にした場合に、同じ価格に見えますが、実は無線電波の基地局数や、未公表である通信制御(速度制御)やテザリング(インターネット共有)がポイントになってきます。

通信エリア基地局数や通信制御(速度制限)

 各社の基地局数から見て、ドコモは圧倒的に通信エリアに信頼性がありますが、3社の中で最も基地局数が少ないソフトバンクは通信エリアや厳しい速度制限で評判があまりよくありません、今後の公表内容が気になるところです。
 特にSoftBank on LINEの前身であるLINEモバイルは、令和元年12月に公正取引委員会から景品表示法違反で課徴金額納付命令を受けている曰く付きの事業者です。

テザリング機能(インターネット共有やWi-Fi共有接続)

※テザリングとは、携帯電話回線に接続されたスマートフォンなどを、アクセスポイントとして設定し通信を中継することにより、その端末とWi-Fiなどで接続された機器をインターネットに接続することです。

テザリングが制限なく利用できれば、モバイルルーターなどは本当は必要ないのです。

 テザリングは、ドコモの通常プランの場合は、無制限ですので、別途モバイルルーターなどを必要とせずに無駄を省くことができていました。
 auとソフトバンクはテザリングには容量制限などのさまざまな制限を設定しており、同社のモバイルルーターやホームルーターなどを販売する手段となっています。
 これが行きすぎた囲い込みとなっていますが、今回の新料金プランは家族割やネット割などが無くても従来の料金プランより低価格になっています。しかし、オンライン手続き限定というハードルを設けて、消費者が躊躇(ちゅうちょ)するようにしていますが、オンラインで買い物などをされたことがある方でしたら問題なく手続きできるレベルだと想定されます。4月以降に店舗へ行かずにオンライン手続きで、テザリングが無制限の通信会社をMNP(乗り換え)ればかなりの月々の通信料金の支払いはかなり減るでしょう。
 新規参入の楽天モバイルは、シンプルでわかりやすい料金プランでユーザーを増やしたいので、既得権益のようなテザリングの制限はありません。

新たな選択肢の新規参入の楽天モバイル

 新規参入の楽天モバイルは、猛烈な勢いで基地局を増やしており当初計画を前倒しで令和3年夏には、人口カバー率97%を達成する予定です。大手3社の既得権益であった、通信料金と通話料金を無制限にすることで、大手3社にうんざりしている消費者が流出しており、楽天の既存のさまざまな非通信分野のサービスの入口として通信サービスを利用されている方もおられます。

オンライン手続きが苦手な方へ

 総務省では令和3年度中に、スマートフォンの乗り換えを支援する「スマホ乗り換え相談所」という事業の準備が進んでいますが、どのような事業形態になるのかは具体的には見えていません。携帯料金の各社の比較が可能なようにするために「携帯電話ポータルサイト」を令和2年12月に公表して、消費者にとっては大事なことばかり記載しています。ですが一般の消費者がその「携帯電話ポータルサイト」の存在すら知りませんし、報道もされていません。
 携帯電話業界からの大量な広告費用にマスコミは忖度して、報道しないのです。

国民主権の原則から、消費者が主導権をとり疑いの目を持って商品やサービスを選ばなければなりませんね。

 オンライン手続きなどが不安な方は、急がずに代理店の既存のプランを利用しながら、オンライン手続きに少しづつ慣れて、利用実態は変わらないのに支払いが減ることを実感していただければ、オンライン手続きがしたくなると思います。


まとめ

 総務省の携帯電話ポータルサイトの説明にあるように、大手4社で40%以上の方が20GB以上の料金プランを契約されている方がおられる一方、実際に20GB以上を利用されている方は約10%の方しかおられません。

ご自分の通信サービスの利用実態と契約内容が合っていない方が30%程度おられることは、通信料金の値下げ以前に、ご自分の支払いにあまり関心がない方が多いことに驚きませんか?

 通信料金の値下げをしても、支払いにあまり関心がないのであれば、他の分野でも支払いは増える一方です。通信料金の値下げの機会は、くらしの全ての支払いを総点検する機会にしてみてはいかがでしょうか?

  • 作成:令和3年1月14日
  • 文:能登健
  • 出典元:総務省、NTTドコモ、KDDI、SoftBank、楽天モバイル
  • 絵:いらすとや
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表、ファイナンシャル・プランナー、グラフィック・デザイナー、エンジニアリング・アドバイザー、システムアドミニストレーター、相続診断士、お客様対応専門員(CAP)、消費者啓発活動ボランティア、課題解決型・組織横断型地域ボランティア