【欲望勧誘注意】 投資などを勧誘するメールやSNSなどのあまい誘いに注意!!

3494

■この記事のポイント
※この記事は、詐欺的な投資勧誘についての注意喚起です。

最近、詐欺的な投資勧誘が増えており、最初は無差別にメールやSNSなどでメッセージを送り付け、反応があれば詐欺的な手法で誘い出して騙す事案が増えています。

投資は余裕資金で行うものであり、資金を流動性、安全性、収益性の3つに分類して運用することが重要です。

外国為替証拠金取引(FX)や暗号資産で得た利益は税率が高く、納税準備のために利益を再投資することが困難になります。悪質な業者は雑所得の税率のデメリットを一切提示せず、「必ず儲かる」と断定的表現を使用し、他人にも勧誘するよう持ち掛けます。
お金を増やすことは、安易に他人に教えることはなく、見ず知らずの他人からSNSなどを通じて親切に勧誘される案件は騙す目的で法令に違反している可能性が高く、リスクだけがありメリットは何もありません。

詐欺的な案件は騙されないための知識や警戒心が弱い方を常に狙っています。

投資などで毎月確実一定額を増やすと勧誘する詐欺的な事案が増えています。
最初は無差別にメールやSNSなどでメッセージを送り付けて、1万人に1人でも反応があれば、詐欺的な手法で誘い出して騙す事案が増えています。

↑無差別に送りつけられてくる迷惑メールの例
あなただけへの特別な案内と称して、期限を設定して動じさせる事が目的

そもそも投資とは

 投資は生活資金でするものではなく、余裕資金(目安として10年以上使う予定がなく、運用に回すことができるお金)でするものです。

基本の「き」として、資金を「流動性」、「安全性」、「収益性」の3つに分類して、全てを満たす金融商品や投資案件は、存在しないことを理解しておくことが重要です。

⚫︎流動性資金

 現金化しやすい普通預金などの預貯金など、いざというときの備えのお金(緊急予備資金)。

⚫︎安全性資金

 定期預金や個人向け国債など、使う予定のあるお金(住宅リフォームなどのライフイベントの準備資金)。

⚫︎収益性資金

 投資信託などの投資型の金融商品など、余裕資金で資産運用するもの。

情報格差で騙されるケース

外国為替証拠金取引(FX)や、暗号資産で得た利益は、税法上では雑所得となり、株や投資信託などの配当利益や譲渡利益などと異なり、所得額に応じて税率(所得税+住民税)が5%~55%と高い課税率となり、納税準備のために利益を資金として再投資することが困難になります。

 所得が発生すると納税の義務があります。この税法をよくご存じの富裕層や投資家などの方は、税率が高い取引はせずに、税率が固定されている範囲で投資をして資金計画を立てます。
 ですが、多くの方々は、税率は消費税程度の知識だけで、儲かった時の納税額を事前に検討することはしていません。そこに悪質な業者が情報格差や騙す目的で接近してきます。

悪質な業者の特徴は、雑所得の税率のデメリットを一切提示せずに、利益が得られた場合だけの金額を説明して、さらに何度も繰り返し「必ず儲かる」などと断定的表現を使用する場合があります。

 さらに投資を他の方にも勧誘すると、あなたにも配当が入ると説明して、あなたから投資目的でお金を集めたばかりでなく、あなたに勧誘活動をすることを持ち掛けます。
 「必ず儲かる」と断定的表現を使い、事実と異なれば「不実告知」、勧誘された方が勧誘活動を始める業態は「連鎖販売取引」で、その事業に偽りがあった場合は、勧誘活動を行ったあなたは被害者ではなく加害者となり、犯罪者として処罰されます。

安易にお金を増やすことは、他人に教える事はないと考えてください。
見ず知らずの他人からSNSなどを通じて親切に勧誘される案件は、金融商品取引法、出資法、預託法、特定商取引法、消費者契約法などの法令に違反している可能性が高いものがほとんどです。
詐欺的にあなたとあなたの大切なお金を利用されて、犯罪者に仕立て上げられる可能性が高く、リスクだけがありメリットは何もありません。

欲深さを狙い、詐欺に騙されるケース

労せずして贅沢をしたいという欲望の強い方は、調べもせずに怪しい儲け話に盲目的になって夢中になり、余裕資金どころか、生活資金や借金をして騙されます。

  1. 著名人もしているから… 皆さんは既に始めていますよ…と、なら大丈夫かなと架空の話で安心させるように勧誘されてしまいます。
  2. まだ公には募集はしていなくて、個人レベルのある程度の小規模な人数で今はスタートしたばかりと、公になればデタラメなのがバレるので、特別感を与えて納得させられてしまいます。
  3. 既に成功してタワーマンションに引っ越した人、高級車や海外旅行など、架空の成功事例で自分が成功することを繰り返しイメージするようになります。
  4. 大きな投資の案件について、仲間だけで集まり夢を話し合って、さらにイメージを膨らませて案件の内容よりも欲深さが増してきて、投資や勧誘活動に熱が入ってきて、周囲に配慮がなくなってきます。
  5. ある日突然、振り込まれるはずのお金が入金されていなくて、上位メンバーに連絡をしてもつながらなくなり、計画的な詐欺であったことが明確になり、あなたが勧誘した方から被害の弁済を求められ、不法行為により犯罪者になってしまいます。
  6. さらに被害を回復させるために、他の儲け話を探して同じように詐欺被害にあい、欲深さゆえの負のスパイラルから抜け出せなくなり、人間関係も崩壊してしまいます。

詐欺的な案件は、騙されないための知識や、疑ってかかる警戒心が弱い方を常に狙っています。
最初は無差別に多くの方に単純なアプローチ(今回とりあげたメールなどの利用など)をして、反応のあった方を欲深いがリテラシーが低いと想定し、ターゲットを絞ります。
詐欺師は騙しの職業プロですから、言葉巧みにあなたに合わせて個別な手段でアプローチを仕掛けてきます。


まとめ

 簡単に儲かるなど、心の奥底の欲望に誘いかける怪しい儲け話には関わらず、「流動性」、「安全性」、「収益性」を満たす投資話は存在しない基本からブレないで、はっきりと断りましょう。
 または、消費者ホットライン(局番無しの188)へ相談しましょう。

関連記事

  • 作成:令和2年12月10日
  • 文:能登健
  • 絵:いらすとや

能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)