iPhoneを4年間使うか、Androidスマホの低価格機種を毎年機種変更するか?どちらがいいの?

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⬛︎ この記事のポイント
⚫︎ iPhone SE 2022(第3世代)は低価格ながら高性能なエントリーモデルで、長期間のサポートが期待できる。
⚫︎ Androidスマホは毎年機種変更すると維持費が高くなり、アップデートや故障のリスクも高い。
⚫︎ スマホの選択は自分のニーズに合わせて冷静に判断することが大切。
⚫︎ 通信会社のキャンペーンは複雑で条件が厳しいので、メーカーから直接購入するのがおすすめ。

比較的低価格でも信頼できるiPhoneSEシリーズ

 円安でiPhoneの販売価格が改定されて、エントリーモデルのiPhoneSE2022(第3世代)であってもAppleのメーカー希望小売販売価格は62,800円になっています。

 外観のみiPhone8以前の形状です。外観のレンズ数、本人認証方式、画面投影方式とサイズなどが従来と同じです。
 iPhoneSEシリーズは、Appleが普及価格帯モデルをラインナップするために、生産技術や生産ライン、構成部品などを従来の技術が多く活用でき、全くの新製品のような開発や製造にかかるコストを抑えながら、最新の技術も同時に使うことでブランド価値を維持しています。

 iPhone13やiPhone14などと同じA15BionicシリーズのSoC(シリコン オン チップ)のが搭載されており、 iOSのアップデートも直前に販売開始されたiPhone13と同時期の数年先までサポートされると思われます。

低価格のエントリーモデルのAndroidスマホを1年ごとに機種変更

 一方で、本体の出費を下げる事を考えるために、30,000円程度の低価格、低スペックのAndroidスマホを毎年機種変更する方もおられます。

サポート期間

 Androidスマホは3年間のセキュリティアップデートなどが保証されているのが多いのですが、低価格機種になるとメーカーや通信会社は早くにアップデートを打ち切る場合が多く、消耗品のように扱われることが多くあります。

世界でのスマホのサポート期間などの動向

 最近ではどのメーカーも持続可能な環境に配慮して、サポート期間を明確にアピールしています。
 スマートフォン本体価格の高騰もあって同じ端末をできるだけ長く使い続けようという消費者の行動が変化しつつあります。
 欧米を中心に盛り上がっている修理する権利の法令化も、この方向性の一端といえるでしょう。
 そして、高価格高性能機種であるAndroid OSのGoogle Pixel 8/8 Proのアップデート保証が7年になったのも、各種法令への対応に影響したようです。

 EUでは、2025年6月に施行予定の「スマートフォン、スマートフォン以外の携帯電話、コードレス電話およびスレート タブレットのエコデザイン要件」によって、スマートフォンの保守パーツは7年間、ソフトウェアアップデートは販売終了から最低5年間提供するよう定められています。
 最近のGoogle Pixelはおおむね1年で販売終了となるので、7年間提供するのであればこの条件は満たせますので、EUでの販売は可能です。

 Appleは、iPhoneのアップデート保証期間を公式には明確にしていません。最新の次期iOSが登場する場合に、iOSのソフトウェアアップデートのサポート対象となる機種が明かされ、そこから漏れたものはサポート対象外となっています。
 直近のiOS 17では、2017年発売の「iPhone 8/8 Plus」と「iPhone X」がサポート対象外となりました。サポート期間年数で言うと、iPhone 8/8 PlusとiPhone Xは6年間で、その後はセキュリティアップデートのみの更新になっています。

 また、サポートが終了しても、緊急性が高いセキュリティアップデートは、旧機種にも提供しています。
 直近では2022年にソフトウェアアップデートのサポートが終了したiPhone 6sやiPhone 7などに対してもセキュリティアップデートが公開されていました。

今後の新製品のスマホのサポート期間が7年間は高価格帯のハイエンド・グローバルモデルのみで、低価格の国内販売専用のエントリーモデルのサポート期間はどうなる?

 実際のところ、アップデートが7年保証されるとしても、7年間同じスマートフォンを使い続けるのかという問題はあります。
 10〜20万円を超える高価格高性能ハイエンドモデルを購入したとしても、2~3年もすれば性能や装備面は、普及しやすい中価格帯のミドルクラスに並ばれて、高価格だった部品や性能のノウハウが2〜3年で普及しやすい中価格帯のスマホに当然のように搭載されていき購入時の満足感は、年数とともに低下していきます。
 ただ、全ての人がスマートフォンでゲームを含めたさまざまな最新機能を使う目的はなく、それなりの撮影と通話やSNS、メールができれば十分で、1台のスマホを継続使用することは大きなメリットとなります。

今後は、高価格高性能のハイエンドモデルと、低価格のエントリーモデルの二極化が進む

 前述の法令が導入されると、AppleやGoogle、Samsungなどの大手は対応できるスマホを継続販売し、サポート体制も問題なさそうですが、Androidの大多数を占めるエントリークラスを手掛ける中国メーカーは、政情が不安定なので今後の対応が困難になってきます。こうしたメーカーは欧米市場での展開を行っていないことも多いので、問題はなさそうです。
 また、大手メーカーであっても、長期間のサポート保証を行うための費用を端末に乗せて価格上昇の要因になります。

 このため、①長期間のサポート保証をうたいグローバル展開する高価なハイエンドモデル②保証は短いものの安価なエントリーモデルという形で、今後の国内のスマホ販売の様子が変化していくことでしょう。

低価格がゆえの低スペックでストレスに

 低価格、低スペックのAndroidスマホは、他の機種では出来る機能をなくすことで低価格化をしています。もちろんSoCは低スペック低価格の物が搭載され、メインメモリやストレージ、バッテリー容量などが少なくなっており、スマホを使うにあたってはストレスを抱えることが多くあります。

機種変更の回数が多く操作に慣れるまでの時間

 毎年のスマホ機種変更は操作が慣れるまでが大変です。同じメーカーのスマホでも機能が更新されていて外観や操作方法が大きく変わることもよくあります。またデータの移動後のLINEのトーク履歴の復元や、決済や金融機関などのアプリの機種変更の作業など、機種変更後の作業は多くあります。

スマホ故障時の出費リスク

 スマホ本体の保証は購入後1年間がありますが、通信会社やメーカーの延長保証は手厚い分、価格が高めに設定されています。バッテリーは消耗品なので本来では保証対象に当たらないはずですが、AppleCareではバッテリー交換費用(15,800円または11,200円)が含まれています。
 ですが、AppleCareの本体購入時の2年間の加入費用がバッテリー交換費用の2倍程度するので、あまりお勧めできません。

メーカーや通信会社の保証プランより、第3の選択肢の保険会社のスマホ保険が比較的安い

 スマホのバッテリーは購入して数年後に自己負担でするとして、その他の故障や破損、水没などを補償する保険が、日本生命のニッセイのスマホ保険をはじめさまざまなスマホ向けの保険商品があります。

 ニッセイのスマホ保険では、バッテリー交換は消耗品のため補償対象外ですが、故障、破損、水没には対応しており、自己負担3,000円で修理費用を補償してもらえます。月額料金は400円なのでメーカー系や通信会社系の保険より安く、通信会社を変更しても継続して補償が続きます。

4年間の維持費(ランニングコスト)の比較

 4年間の維持費の比較を例として、iPhoneはAppleのiPhoneSE 第3世代、AndroidスマホはSHARP AQUOS Wish3 SIMフリーモデル(SHARPのオンラインストア価格)で比較します。保険は同じニッセイのスマホ保険に加入して、iPhoneは3年目にバッテリー交換をする事にします。Androidスマホは毎年機種変更をするため、バッテリー交換は必要ありません。

年数Apple iPhone SE 2022 第3世代
※破損補償なし
Apple iPhone SE 2022 第3世代
AppleCare+ 盗難・紛失プランを継続加入
Apple iPhone SE 2022 第3世代
ニッセイ スマホ保険を継続加入
SHARP AQUOS Wish3 SH-M25
※破損補償なし
1年目本体購入:62,800円本体購入:62,800円
AppleCare+ 盗難・紛失プラン:14,800円/2年
本体購入:62,800円
ニッセイ スマホ保険:4,400円/年
本体購入:34,980円
2年目ニッセイ スマホ保険:4,400円/年本体購入:34,980円
3年目バッテリー交換:11,200円バッテリー交換:0円
AppleCare+ 盗難・紛失プラン継続:8,880円/年
バッテリー交換:11,200円
ニッセイ スマホ保険:4,400円/年
本体購入:34,980円
4年目AppleCare+ 盗難・紛失プラン継続:8,880円/年ニッセイ スマホ保険:4,400円本体購入:34,980円
4年経過時の合計74,000円/4年
※破損補償なし
95,360円/4年91,600円/4年139,920円/4年
※破損補償なし
※iPhoneSEとAndroidスマホのエントリーモデルの毎年機種変更の比較

 3年目までのAndroidスマホを使い終えて、すぐに中古市場に売却するとして仮に高く見積って12,000円で計算しても、103,920円の出費になり、iPhoneSEを使い続けるより高額になります。
 Androidスマホの場合は、機種変更直後にタイミングよく売却の機会があれば良いのですが、要領よく速やかにできなければ、出費の回収は減ります。

選ぶのはあなた

 どちらを選ぶのか決めるのはあなた自身ですが、店頭や店舗スタッフに合理的な判断能力をゆがめられることは、あってはなりません。

 冷静になるために、自宅にてご自分でじっくりと考えてから判断しましょう。

 ①価格だけではなく、②何年間使い続けるか、③操作に慣れるまでの時間など、③ストレスなく動作するか④自分自身が妥協せず納得して使えるなどの項目を並べて、数字や★の数で重み付けをして、客観的に考えて購入しましょう。


まとめ

 お気づきの方もおられると思いますが、今回のスマホ本体の維持費用の比較は、あえて通信会社の複雑なキャンペーンを除外してあります。
 理由は、大手通信会社の割高な通信料金に乗り換えることが条件であったり、さらに12ヶ月後に返却が条件の格安価格だったりと、毎年機種変更することが困難であるためです。
 大手通信会社のスマホ販売価格は、メーカーの希望小売価格よりも割高です。
 以上の理由から、スマホ本体はメーカーから直接購入するケースを例としています。

 通信会社のスマホショップやオンラインショップは、大幅な値引きをしているようで、実は複雑すぎる達成困難な条件があることが多く、利用者である消費者は自立して、自ら先のことを考えてスマホ本体を購入する事にしましょう。

  • 作成:2024年2月21日
  • 文:能登健
  • 出典元:Apple、Google、Samsung、SHARP(FOXCONN)、ニッセイ(日本生命)
  • 画像:ぱくたそ
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)