新型コロナワクチン接種証明書アプリのお知らせ

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日本政府が公式に提供する、新型コロナワクチン接種証明書を取得できるアプリが令和3年12月20日から利用可能になりました。※アプリの利用は無料です。

接種証明書アプリの使用方法

 新型コロナワクチンを接種完了している方は、アプリをダウンロードして、アプリを使って、スマホにマイナンバーカードをかざす際に本人認証(4桁の暗証番号)を入力するだけで、氏名などの個人情報の入力の必要がなく、接種記録証明が確認でき、必要に応じて提示することが可能になります。

 マイナンバーカードは接種確認を登録するときにのみ使いますので、都度必要になるわけではありません。

 提示する際に、氏名や生年月日などの個人情報を隠すことも簡単にできるように配慮されているため、とても使いやすくなっています。

 兼業OKのデジタル庁の職員であるITのプロ集団が使いやすさに配慮して作っただけのことはあります。

 実際に緊急事態宣言などの制限除外確認では、飲食店側などの主催者側がQRコードの読み取り、有効な証明書である事を確認して、読み取った側に表示された氏名と生年月日を、他の本人写真付き身分証明書と照会し本人確認します。

 ちなみにこのアプリの画面はスクリーンショットや、印刷して紙でも活用は可能です。

公的な証明書(公文書)につき不正利用は犯罪に

 このアプリでの証明書は、日本政府が提供した公的な証明書(公文書)となりますので、不正利用は重大な犯罪になります。※不正利用をした利用者が処罰されます。

ダウンロードリンク

アプリ使用条件

  • マイナンバーカードが読み取れる(NFC Type B対応)スマートフォン端末
  • iOS 13.7以上、Android 8.0以上

iPhoneのウォレットに対応

iPhone7以降の場合、他の端末でご自分のQRコードを表示させて、標準のカメラアプリで読み取り、ウォレットに追加すると、ヘルスケアの予防接種の項目にも追加されます。また、ポイントカードなどと同じように電源ボタンを2回を素早く押す事で、ウォレットとしてすぐに表示可能です。

確認されている問題点

マイナンバーカードを読み取り可能な条件が必要

 マイナンバーカードの発行が開始されてから5年以上が経過していますが、マイナンバーカードが読み取れる(NFC Type B対応)端末などの条件を、利用者である国民に詳しく周知していません。

 マイナンバーカードは総務省が発行しています。制度変更で国民に周知が成功した例は、「地上デジタル放送に対応」している」テレビであるかを明示する取り組みです。
 テレビのカタログや売り場では、必ず地デジ対応の表示がありました。
 また、総務省案件ではありませんが、家電製品への省エネラベル表示は消費者に浸透しています。

 今回のデジタル庁の同アプリの動作環境は、マイナンバーカードが読み取れる(NFC Type B対応)端末、iOS 13.7以上、Android 8.0以上と記載があるだけで、まずアプリのみの動作環境であることを理解できる方は少ないと思います。

 マイナポイントの申請アプリに対応しているスマホは別途リスト化されています。マイナンバーカード読み取り対応アプリが登場するたびに、リストを作成しており、新しいアプリが登場すると、その都度にリストを作成し、作業が毎回重複しているのは行政ならではの縦割りでの無駄な重複業務でとても残念ですね。

 マイナンバーカードの普及には、活用できる環境の周知が必要です。マイナンバーカードの読み取りなどに対応しているスマホには、購入前に一目でわかる統一した表示が必要であると考えます。

 無線電波を使うスマホは、総務省が販売許可をしており、それであればマイナンバーカードの読み取り対応について項目追加して、対応の有無を消費者に混乱しないように伝える仕組みが既にありそうですが、省内職員がどなたも起案しない事で、マイナンバーカードやスマホの利用者である国民が混乱しています。

マイナンバーカードの旧姓併記が証明書では指摘で事後対応

 マイナンバーカードでは旧姓併記が可能です。旧姓がわからなければ不便な状況があるためで、今回の証明書でも事後対応がすぐ決まりました。

 政治では「選択的夫婦別姓」についての導入が議論されていますが、今回の証明書の素早い対応は、夫婦別姓つまり旧姓表示がなければ不便な状況があると、政府が認めている既成事実になっています。

 今後の「選択的夫婦別姓」の議論の際に、この既成事実をどのように政府側が説明するかが見ものです。


まとめ

 今までは飲食店や施設側など中心となり、大掛かりな感染対策が必要でした。
 今後は、「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」が活用出来る方が増える事で、飲食店や宿泊予約、イベント予約などで、利用者側が個別に協力して、制限による経済活動の低下をある程度防ぐ効果が期待されています。

 この「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」は、新型コロナワクチンの接種した記録を日本政府が証明するもので、ワクチンの効果や感染拡大予防を担保するものではありません。
 感染予防や感染拡大予防には、引き続きの対策が必要です。

参考リンク

  • 作成:令和3年12月25日
  • 文:能登 健
  • 出典元:デジタル庁、総務省、マイナンバーカード総合サイト
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)