【エシカル消費とは】 人・社会・地域・環境への倫理的・道徳的な配慮

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↑消費者庁のエシカル消費のパンフレット
※画像をクリックするとパンフレットが開きます。

りょうこさん、最近、よく耳にするエシカル消費ってなんなのか知ってる?

さとみん
さとみん

さとみん、実は私もよく知らなくて、気になっていたのよ。
ノッティーさんは知ってる?

りょうこ
りょうこ
ノッティー
ノッティー

エシカル消費は、最近よく耳にするようになってきたよね。

直訳すると「倫理的な消費」で、買い物をするときに価格の安さなどの自分に都合の良い条件だけで選ぶのではなく、「いろんなことに配慮して、選んで買い物をしましょう」って意味だよ。

なんだか、理屈っぽくて、面倒くさそう…

さとみん
さとみん

そうねぇ、やっぱり、お買い物は新鮮さと安さ重視で選んじゃうわ!

りょうこ
りょうこ

そうですよね!りょうこさん
ノッティーさん、私たちにもわかりやすく教えてよ!

さとみん
さとみん
ノッティー
ノッティー

買い物で、都合を優先させるのではなく、少し身の回りに配慮して考えてみたらわかりやすいよ。

さらに抽象的で、わかりにくくなってるよ…!

さとみん
さとみん
ノッティー
ノッティー

買い物するときに、その商品が生産や加工、輸送などで、人・社会・地域・環境などに配慮しているの?ってことだよ。

例えば、さとみんの食べようとしているチョコレートが、店頭に並ぶまでの経緯で、生産国で不当な低賃金や児童労働させて、生産や加工などしているのかな?

そのような不当な取引をしていなければ、フェアトレード認定ラベルが商品に印刷してあるか、その企業の商品のホームページで紹介されてるよ。

このチョコレートのパッケージにはないけど、ホームページにあったわ!

さとみん
さとみん

私が以前に買って食べていたチョコレートには、なかったかもしれない…

りょうこ
りょうこ
ノッティー
ノッティー

りょうこさん、そうですよ。

経済発展をとげた先進国の消費者である私たちは、ないものねだりのように、安さを求めていますよね?

商社などは途上国などの原産国の事業者に、低価格で売るように持ちかけて、そして現地では低賃金で労働させたり、生活のために子供が学校へ行かないで児童労働をしてたりしてるのだよ。

私たちの都合で、見えてこない彼らを搾取して、間接的に貧困の原因や不当労働に関わっていたのです。

そんなこと聞いちゃうと、チョコレートが食べれなくなっちゃう!

さとみん
さとみん
ノッティー
ノッティー

そのチョコレートは、第三者機関がフェアトレードの認定をしているので、不当な取引には関わってないから安心して食べてね!

よかった! でもこれから買い物の時には、気をつけなくちゃ!

さとみん
さとみん

そうねぇ! 私たちの都合でそんなことになっていたなんて、とても心苦しいわ…
これからの買い物は気をつけなくっちゃ!

りょうこ
りょうこ
ノッティー
ノッティー

買い物で少し配慮することで、いろんな社会課題に配慮ができるんだよ。
「買い物して使う」すなわち消費するから、「エシカル消費」っていうんだよ。

私たちはよくわかったけど… みんなが協力しないとね!

りょうこ
りょうこ

私たちだけの日頃の買い物だけでは解決できないから、いろいろなところで呼びかけているのね!

さとみん
さとみん

エシカル消費とは

 近頃よく耳にする「エシカル消費」という言葉のその正しい意味をご存知でしょうか?
 日本語に直訳すると「倫理的消費」となり、少し堅苦しくなります。でも「消費」という行動は、食べることや使うこと、買物など、私たちの毎日の生活そのものです。
 「エシカル消費」は、より良い社会に向けた、人や社会、環境に配慮した持続可能な消費行動のことです。

このキーワードを意識しながら日々を過ごしてみると、世界の未来が変わります。

エシカル消費とは、消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うことです。
2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールのうち、特にゴール12に関連する取組です。

消費者庁

エシカル消費で何が応援できるの?

生物多様性への配慮

認証ラベルのある製品を選びましょう。

例① FSC森林認証:適切に管理された森林資源を使用した商品(紙製品など)。

例② MSC認証:海洋の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物。

例③ RSPO認証:環境への影響に配慮した持続可能なパーム油使用の商品(洗剤など)。

環境への配慮

エコな(環境に配慮した)製品を選びましょう。

⚫︎リサイクル素材を使ったものや資源保護に関する認証がある商品を購入しましょう。

社会への配慮

寄付付き商品を選びましょう。

⚫︎売上金の一部が寄付につながる商品。

フェアトレード商品を選びましょう。

⚫︎発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に取引された商品。

人への配慮

障がいのある人の支援につながる商品を選びましょう。

⚫︎働きたい障がいのある人を支援している事業者の商品。

地域への配慮

被災地の産品を買いましょう。

⚫︎被災地の特産品を消費することで、経済復興を応援できます。

地元の産品を買いましょう。

⚫︎地産地消によって、地域活性化や輸送エネルギーの削減につながります。

エシカル消費は、つまり何かを買う時の尺度です。


現実社会の問題を知ることで、エシカル消費の重要さを理解しましょう

食品ロス

 食品ロスとは、食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。日本では、 1日におにぎり1億2,000万個分に相当する食品ロスが発生しています。食品ロスを減らすために、まず 私たちにできることは「おいしく食べ切ること」や「 必要な分を購入すること」。すぐに食べる食材を買うときは商品棚の手前から取る「手前どり」にも心がけましょう。

海洋プラスチックごみ

 ポイ捨てや不法投棄などにより、回収されずに河川を通じて海に流れ 込こんでいる「海洋プラスチックごみ」が日々発生しています。紫外線で劣化して小さくなったプラスチックは、海に漂よう汚染物質と結びつき、海の生き物のお腹の中へ入ります。それを人間が食べることで、体の中に汚染物質が入ってきてしまいます。このままでは、2050年の海は魚よりプラスチックごみの方が多くなるかもしれないといわれています。

経済発展した国の消費者のないものねだりによる、途上国での搾取や児童労働

 途上国では、学校などの義務教育よりも、経済的事情で生活のために児童が働くことが優先されている場合が多くあります。
 例えば、チョコレートの原料であるカカオの生産などに、多くの児童労働が関わっており、その原因はにほんなどの経済発展した国の消費者が過剰な低価格を求め、そのシワ寄せが途上国へ低賃金で危険な労働や児童労働をさせたり、低価格で生産させて搾取していることにあります。

 そのようなことが不平等な搾取がないように、生産者の暮らしの改善や自立の実現、環境保護を目指して適正な取引をする商品に付けられる「国際フェアトレード認証ラベル」を確認して購入することで、是正することにつながります。


すぐに取り組めるエシカル消費

 すぐに始められるアクション「3ステップ 」を紹介します。まずは自分で調べてみる、分かったことを基に実際に行動する、やってみたことを周りにシェアするの3つにチャレンジしてみましょう。

↑消費者庁のパンフレット「みんなの未来にエシカル消費」
※画像をクリックするとパンフレットが開きます。

調べる

 いろんな社会問題の言葉や問題の背景を調べて 、新たな発見をしましょう。ポイントは、企業や行政機関のウェブサイトなど信用できる情報を参照することです 。

行動する

 調べたら、行動に移してみましょう。お店で認証ラベルのある商品や 、長く使える商品を選ぶようにしましょう。買物をするときは必要なものだけを買うようにしましょう。

他の人とシェアする

 良い情報はみんな知りたいもの。家族や友人に 話したり、インターネットでシェアしたりして気付きを増やしていきましょう。


まとめ

 日本はG7(先進主要7ヵ国)の中で、2015年9月の国連総会で決められた、世界を変えるための17の目標である持続可能な開発目標(SDGs)への行政機関や国民意識の取り組みレベルが著しく低く、国連総会で小泉環境大臣が各国から厳しく説明を求められました。

 日本では、2030年までの目標であるにもかかわらず、2015年から数年が経過してから、環境省がレジ袋有料化でプラスチックごみの気付きや、自動車の脱炭素社会に向けての規制の検討などがようやくスタートしたばかりです。
 ですが日本の現状は世界からは評価されておらず、特に2の「ジェンダー平等を実現しよう」、13の「気候変動に具体的な対策を」は日本の文化や歴史観、産業構造を根本的に変えなければ、先進主要国であり続けることは難しくなります。

一人ひとりが周囲や日本だけの狭い常識とされているものを見直す良い機会にして、持続可能な社会の実現をしましょう。

関連リンク

⚫︎消費者庁:エシカル消費普及・啓発活動
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/ethical/

  • 作成:令和3年2月13日
  • 文:能登健
  • 出典元:消費者庁
  • 絵:いらすとや
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)