【送り付け】 一方的に送り付けられた商品は、支払不要、ただちに処分が可能!

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消費者に対して、売買契約に基づかないで、一方的に商品を送り付けて、商品代金を請求する悪質事業者に対して、到着した時点で支払い不要で処分が可能になります。
※海外からの送付も含みます。

消費者の混乱に付け込んだ送り付け

 これは、事業者が消費者に契約がないにもかかわらず商品を送り付け、商品が到着した頃に消費者に対して電話をかけて商品代金を払うように要求したり、消費者が商品が届いたことを自らが注文したと誤って請求額を支払うことを狙った、消費者の脆弱性に付け込み金銭を不正に得ようとする行為は、なんら事業活動とは認められない悪質な行為です。

 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律(令和3年法律第72号。以下「改正法」という。)の一部施行等に伴い、「特定商取引に関する法律等の施行について」(通達)の改正を行いました。
 また、改正法の一部施行により、注文や契約をしていないにもかかわらず一方的に送り付けられた商品についてのルールが変わることに先立ち、チラシやQ&Aの資料も公表いたしましたので、是非御活用ください。

 「売買契約に基づかないで送付された商品」に係る改正規定(特定商取引法第59条及び第59条の2)は、令和3年7月6日から施行されます。

消費者庁 取引対策課 令和3年6月29日

一方的な送り付け行為への対応3箇条 

その1:商品は直ちに処分可能 

 注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようとして一方的に送り付けられた商品については、消費者は直ちに処分することができます。

その2:事業者から金銭を請求されても支払不要 

 一方的に商品を送り付けられたとしても、金銭を支払う義務は生じません
 また、仮に消費者がその商品を開封や処分しても、金銭の支払は不要です。
 事業者から金銭の支払を請求されても、応じないようにしましょう。 

その3:誤って金銭を支払ってしまったら、すぐ相談 

  一方的に送り付けられた商品の代金などを請求され、支払義務があると誤解して、金銭を支払ってしまったとしても、その金銭については返還を請求することができます。
 対応に困ったら、消費者ホットライン188へ相談しましょう。

売買契約に基づかないで送付された商品に関するQ&A

Q1 令和3年の特定商取引法改正によって、売買契約に基づかないで送付された商品に関するルールはどのように変わるのでしょうか。 

A1 改正前の規定では、注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようとして一方的に送付された商品について、消費者は、その商品の送付があった日から起算して14日が経過するまでは、その商品を処分することはでき ませんでした。
 今回の改正により、事業者は送付した商品について直ちに返還請求できなくなるため、注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようとして一方的に送り付けられた商品については、消費者は直ちに処分することができ るようになります。 


Q2 売買契約の申込みも締結もしていないのに、自分宛てに身に覚えのない商品が送付されてきました。
 代金を支払わなくてはならないのでしょうか。 

A2 売買契約に基づかないで一方的に商品の送付があったとしても、それにより売買契約は成立しておらず、代金を支払う必要はありません。 


Q3 売買契約の申込みも締結もしていないのに、自分宛てに身に覚えのない商品が送付されてきて、その商品を処分したら、送り付けてきた事業者から代金の支払を請求されました。
 この場合、代金の支払をしなければならないのでしょうか。 

A3 事業者が金銭を得る目的で、売買契約に基づかないで一方的に送付した商品については、消費者が直ちに処分できるものであり、開封や処分を行ったことによって、消費者に支払義務が生じることはありません。 


Q4 売買契約の申込みも締結もしていないのに、自分宛てに身に覚えのない商品が送付されてきて、「御注文いただいた商品を送付しました。」と言われてしまいました。
 この場合、代金の支払をしなければならないのでしょうか。 

A4 仮に事業者が、売買契約があったかのように装ったとしても、売買契約は成 立しておらず、代金を支払う必要はありません。
 また、この場合も、消費者は、一方的に送付された商品を直ちに処分することが可能です。 


Q5 売買契約に基づかないで送付された商品について、例えば、処分したことを理由に代金の支払を請求され、誤って金銭を支払ってしまった場合、支払った金銭は返ってこないのでしょうか。 

A5 仮に、売買契約に基づかないで一方的に商品の送付を受けた者が、処分したことを理由に代金の支払を請求され、代金支払義務が存在しているものと誤解して代金を支払ってしまった場合、事業者に対して、その誤って支払った金銭の返還を請求することが可能です。
 対応に困ったら、消費者ホットライン188に相談しましょう。 


Q6 売買契約に基づかないで送付された商品についての特定商取引法上の規定は、海外から送付されてきた商品についても適用されるのでしょうか。 

A6 海外から日本国内に居住する消費者に送り付けられた商品についても適用されます。 


まとめ

悪質商法の一つである「送り付け商法」(ネガティヴ・オプション)は、以前から問題になっており、以前では到着後14日間を待って処分が可能になっていましたが、法改正で令和3年7月6日以降は到着後直ちに処分が可能になります。もちろん支払い義務はありません。

 これは、消費者と契約に基づかずに一方的に商品を送り付け、消費者側が誤って代金を支払うことを狙った悪質な行為です。
 消費者庁の見解では「事業者等が金銭を得る目的で、売買契約に基づかないで一方的に消費者へ送付する行為は、事業活動とは認められない」となっています。
 事業者側から消費者に請求があった場合でも消費者側に支払い義務は一切生じません。

 それでも相手は悪質業者なので、言葉巧みに電話で支払いように誘導してきます。そのような場合は、迷わず消費者ホットライン(局番なしの188)へ相談してください。

参考リンク

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  • 作成:令和3年6月30日
  • 文:能登健
  • 出典元:消費者庁

能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    消費者問題と、デジタル分野に詳しい、大阪で活躍するファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ料金相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
    不当な契約があれば解約の上、行政の消費者相談窓口を案内している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。

    社会課題を解決するために、問題と向き合い深掘りし、組織を横断して、時には政府に意見し、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)