楽天モバイルの0円(1GB以下)が終了…総務省資料にて、他社店舗スタッフが0円MNP目的で大量に不正利用を指南

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 楽天モバイルはこれまで1ヶ月当たり1GB以下の通信料金が0円でした。7月1日から新規契約は改定され、3GB以下と同じ980円(税込1,078円)になります。既存のユーザーは10月以降に料金改定となります。

 報道では通信設備の投資額の赤字を削減するためと言われていますが、通信設備の投資は他の既存の3社と異なった汎用性のある設備を効率よく利用しているため、運営コストは総合的に他社よりも抑制されています。
 実際は、4社それぞれのグループ内で赤字額が桁違いで多いのはソフトバンクグループで、0円終了に便乗して、あたかも楽天グループの赤字額ばかり強調して報道されている現実は、事実に掘り下げが甘くスポンサーに弱い報道機関の責任です。

 既存の3社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)は、汎用性のある設備ではなく、専用設備のため高額な投資が必要で、さらにエリア拡大にも苦慮しています。

 実際は、総務省から与えられた通信周波数帯は1つだけでしかもプラチナバンドではないにもかかわらず、汎用性のある機器での展開で、短期間につながるエリアが増えており、さらに5Gのエリアも既存3社と同等程度の展開中です。※KDDI、ソフトバンクが率先して進めてきた、4GのNR化による低速5Gは除きます。

総務省のWGで公表された、0円の不正MNP利用実態

 楽天モバイルの資料によると、「新規番号契約におけるMNP転出の増加」に不正行為の懸念があり、他社の販売代理店などの現場で、販売店スタッフが消費者に、楽天モバイルを新規電話番号で契約してから即時解約時にMNP転出が可能にし、大手3社各社へのMNP契約に端末値引付きで乗り換えるように指南しており、不正な競争を阻害するMNPの不正な水増しが行われていました。
 実際に販売の現場では新規発番・即時MNPが現場で行われており、総務省への楽天モバイルからの報告書には、「非常に多くを占める現状がある」と意見しています。

 通信大手3より後発の楽天モバイルは、SIMカード発行手数料、再発行、解約手数料は一切ありません。そもそも費用をかける事が自由な競争の妨げとなり、消費者の選択肢を減らす要因にもなります。後発の通信事業者としては前例主義や既成概念にとらわれない、わかりやすい料金とシステムが事業開始時には大手3社の既存の消費者を驚かせました。
 その一切手数料がかからない回線契約を悪用して、本来の契約目的以外に消費者に誤ったMNP目的の契約をさせて、現場スタッフのノルマ達成や実績作りにしています。

 総務省の提示資料の中で、楽天モバイルは「多くは端末値引きが目的と考えられ、高額端末の過度な値引を誘発している可能性」新規発番・当月解約の実態があると意見しています

 販売代理店のスタッフは、通信大手が代理店を査定基準があるために、MNPの件数を過度に求めており、現場のスタッフは消費者の意に反して、またスタッフの良心に葛藤を感じながら、「優越的な立場の濫用」とも感じられるビジネスモデルが、消費者の意に反した楽天モバイルの契約を不正なMNP利用を誘発し、現場店舗の営業目標達成のため大量に増加したようです。

 それらを抑止するために楽天モバイルの対案が示されましたが、総務省のWG(ワーキンググループ)の構成員以外には、一部は公表されていません。

一括1円等の過度な端末値引を各社が控えることで、端末値引目的のMNPを抑制できるのではないか。
各社による取組みが 不十分な場合は、初期契約解除時と同様に、新規電話番号契約における MNP受付を断る制度改正も考えられる。

出典元:総務省 「携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」等 に寄せられた情報について 楽天モバイルの資料

 この反社会的なMNP契約に楽天モバイルとして、防止する措置として改定したものと、唯一の公的な資料から私は考察しています。

 0円は当初の商用開始段階から始まったもので、ある程度契約の入口が限定的な楽天モバイルを利用するユーザーは、1GB以内の0円での運用よりも、2,980円で通信量が無制限でかつ楽天モバイルの通信圏内のユーザーが中心であり、0円はそもそも経済活動に寄与していないことになります。
 また、料金負担をしている消費者との間で不公平感が発生します。

 0円での運用が可能なKDDIのpovo2.0も慈善事業ではないので、180日間に何らかのオプション利用(トッピングと商品表示して誤認を誘発させている恐れ)がない場合、またはオプションなしで通話とSMS利用額が180日間で660円以上の利用がない場合は、利用停止、契約解除になります。オプション利用のない通話やデータ低速通信は対象外となり、オプション利用が必須になります。

 反対に解釈すれば、povoは最大128kbqsで使える無料回線契約ではありません。尚、別途所定の手数料等がかかる場合があり、使ってみたら0円で使えないことがわかります。

 この楽天モバイルの0円を不正MNP(新規発番・当月解約MNP)したことで、その消費者は短期解約者として不払者情報の交換と同列に一般社団法人 電気通信事業者協会で各社に情報共有されていました。
 現在は当該通信会社の社内にのみリスト化されているようですが、真実は分かりません。明確なことは、楽天モバイルの契約を不正MNPしたことで将来的に楽天モバイルや楽天グループ内で、重大な不利益が発生する可能性が高く、民法の上位特例の消費者契約法「不利益事実の不告知」無効取消の対象となり、代理店が指南した内容に端を発した契約全てが無効取消対象になります。

ちなみに、民法の上位特例である消費者契約法は、携帯電話の販売代理店スタッフはもとより、通信業界では軽視されており、不当な勧誘や契約が横行して、立場の弱い消費者の経済的負担が増大しています。

販売代理店スタッフの立場を悪用した詐欺で逮捕者も

 店舗スタッフが、操作方法の相談に訪れたお客様にアカウントとパスワードをたずねて、その個人情報を利用し詐欺行為をして、詐欺罪で逮捕されました。

 高齢者などが販売代理店にスマホの使い方を相談に訪れたところ、店舗スタッフから個人情報(アカウントとパスワード)を伝えるように言われて、その後に店舗スタッフが高齢者になりすまし、購入したものを高齢者などの相談に訪れた消費者に請求がいくように操作設定をして、詐欺罪で逮捕(令和3年10月に犯行、令和4年5月に逮捕、店舗は東京都杉並区)されている現実があります。

パスワードなどの個人情報は、通常ではお客様のみが操作するもので、スタッフは一切関与しません。
このような店舗スタッフの立場を悪用した、高齢者などを狙った詐欺を防ぐためには、必ず家族の動向が必要です。

携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」等 に寄せられた情報について(総務省:令和4年4月25日)

※寄せられた情報の例(抜粋。一部コメント加工有)

「適合性の原則」関係で寄せられた情報の例

1.オプション関係

消費者の利用スタイルや意向にそわない勧誘や契約のトラブルなどの情報提供事例

キャリアから代理店に対し、オプション等の加入率の評価指標が設定されている。
この指標が不十分だと、キャリアから代理店に指導が入り、インセンティブを決める指標が下がるため、利用者ニーズに合わないオプション等を案内するしかない。

固定回線・スマホのセット割引の受付率向上をキャリアから代理店に求められている。
その結果、上記いずれかの加入がない、もしくは加入がなされない機種変更については、他店やオンラインショップに誘導するショップが多い。

最近ではキャリア営業担当から有料コンテンツの獲得を迫られている。
結果、今、現場ではお客様 から「無料期間があるからと言って同意のないまま登録させられた」といった相談が急増している。

携帯電話の保証サービス獲得率目標がかなり高く、下回ると店舗の成績や代理店の運営支援金に大きく影響する。
保証サービスを拒否したお客様には端末在庫があるにも関わらず販売しないなどの事例もある。
この事例に関しては複数の代理店で働いたことがあるがどの代理店でも行っている。 
他にも行き過ぎた目標が設定され、お客様に意図しない提案や販売をお断りするケースがまだまだ散見される。

高齢の母が一人で機種変更へ出向いた際、基本料金約3,000円に対してオプション金額が約5,000円 という多額のオプションに加え、キャリアのセキュリティサービスに入っているのにも関わらず別セキュリティサービスの購入、SDカードも既に所持しているのに購入させられた。
勝手にパッケージを開けて差し込みをされた。
また、とあるコンテンツが好きかどうかという質問に対し、好きと答えたら同コンテンツの有料配 信サービス(月額料金あり)に加入させられていた。

説明がないまま有料オプションを付けて契約させられそうになった。
料金の説明や表示も無かった。
有料セキュリティサービスについて「総務省の推奨で付けている」と見積もりに入れられ、強制的に契約させられそうになった。

機種変更の際、故障・紛失サポートサービスに、説明や断りもなく、「これも入れておきますね」と契約させられそうになった。
「不要です」と拒否するも、一旦加入させてから解除するという不可解な手続きを取られた。
一円もかかりませんからと、断る自由をまったく与えられなかった。

機種変更の際、安価な端末を希望したところ、別機種を強引に勧められた。
それは断り、希望端末で進めてくれることになったが、今度はセキュリティサービスを強引に勧められた。
パソコンで 使っており、同サービスの性能は知っているが、その上で不要であること、他社セキュリティソフ トで事足りていることを告げて断ったが、勧誘が続いた。
断り続けたところ、無言でスタッフ数人がバックヤードに入っていき、希望機種の在庫がないから当店ではお力になれませんと言われた。

高齢・一人暮らしの父が、高齢者向けスマホを紛失。今までと同じように使えるようにと希望を伝えた上、新しく機種を購入した。
1ヶ月後、家族が、有料オプション(エンタメ系等)、電気、ホームルーターに加入していることに気が付いた。
本人は、ホームルーターについて、解約で本体代が発生すること、月額使用料が別途かかることや、毎月の総支払額が10,000円になってしまうことを理解していなかった。 
父は、パソコンも持たず、動画配信サービス等も利用せず、携帯(主用途は通話、データ使用量は 平均1GB未満・月額3,000円程度)のみ使っており、ホームルーターに加入するメリットが全くないのにも関わらず契約させられていた。

2.出張販売・ポートイン関係

通信会社から代理店へ指示され、ショッピングモールや複合施設、家電量販店の加入契約のみの非常設のイベント的な特設コーナー関係の情報提供事例

家族(高齢者)が、出張店舗で、携帯を無料で新しくするとだけ言われたとのことで機種変更をしてきた。
持ち帰ったのは新しい機体と薄い冊子だけで、契約書の控えや、販売店が分かるものがな かった。後日、キャリアに確認したところ、料金が2倍以上になっていることが分かったが、料金増等の説明はなかった。
キャリアは、高齢者が店舗来訪する場合には家族同伴を注意喚起しているのに、出張店舗ではお構い無しなのか。

大型ショッピングモールでブースを設置し、キャリアAのサブブランドの呼び込みをしていた。 
「日割り計算はできないため、何日に申し込んでも月額使用料は同じ」という説明があったため、 キャリアBからAのサブブランドへの乗換えを契約した。
Aの店舗に案内され、手続きに1時間ほど要したが、その間、オンラインで自分自身で申し込んでいれば発生しないようなプラン名や契約内容の記載があったものの「こちらは関係ないですので」とのことで、具体的な説明がないままに契約書を受け取った。

帰宅後、契約内容を確認したところ、キャリアBからAのサブブランドへの乗換えの間に、キャリアAの本ブランドの新規契約を挟んでいることが分かった。
その説明は受けておらず、また、月額使用料が日割り計算になっており、説明と異なることも分かった。
後日、契約した店舗に伺ったところ、契約した当日は説明不足であったこと、事実と異なる説明があったことは認めていた。

携帯ショップの店員です。
お客様が「追加で新規契約はしたくない」と頑なに断っているのにも関わらず、「それは知っています、それでも安くするためには契約しないといけない」と、イベントで入っている業者が無理矢理契約させており、それを私達が登録している。
毎週末、複数台、このような契約をさせられている。

キャリアから求められるポートイン評価指標が高くなっている。達成しないとショップに入る支援費が減ってしまう。
ショップの運営を継続するには、利用者ニーズを逸脱した提案をせざるを得ない。
キャリアは「お客様から提案許諾が取れているのか?」という部分を強調して判断しており、 マニュアル通りに提案承諾を取れば、キャリアとしてはお客様のニーズに踏まえていると判断し、 問題となった場合は販売をした代理店に否がある判定となる。

代理店への各指標が、ポートインや新規契約関係ばかり。
お客様満足度をと言うが、満足度を上げてもポートインを上げないと代理店あて支援費は入らない。

ポートインを上げてれば、満足度がど んなに低くても表彰され、代理店あての運営支援金も多くもらえる。
コロナ禍だが、来客を増やすために、イベントやスマホ教室の集客を指示される。

現場のスタッフが業務で反社会的な圧力をかけられていて、辛い現状を情報提供していることや、通信業界の強い不当なハラスメントが継続しており、消費者にそのしわ寄せがきていることがわかります。
また、詐欺に及ぶ店舗スタッフも少なからずいて、実際に逮捕者もいます。そんなリスクのある販売代理店が全国に存在しており、規制や取締りの徹底が追いついていない現状があります。


まとめ

 事業間活動として、持続可能でない査定基準で、代理店いじめをして、現場スタッフは辛い葛藤なかで酷似して使い捨て、離職率は高く推移しているが、改善はされずに既存の巨大企業の圧倒的な経済力でマスコミでの報道をかき消しています。
 その結果、消費者には規制の改正が多い電気通信事業法の最新の禁止事項が、圧倒的な力で伝わらないようにマスコミやジャーナリストの社会的責任に反して、事実を歪曲して誇大広告に熱量を注いでいます。

 ですが、現場の若い人材が反社会的な業務手法で消費者の意に反した契約をさせて、メンタルヘルス疾患を患うケースが実態があります。
 また離職後の就職活動の際には、反社会的な手法をさせられていたレッテルが将来の選択肢を狭めて、転職先で冷遇されるケースが一般化しています。
 彼らには救済策はなく、人権を無視した使い捨てをする通信業界の商習慣が、国民全体への消費者問題に発展しているのです。

 放送などのTVCM、情報番組などの巧みなマスコミの戦術で同調圧力を高めて、矛盾した内容でも消費者の心をつかむように作られています。
 このような事業者と消費者では、経済力や情報力、交渉力に圧倒的な格差が生じます。
 この格差で消費者は翻弄され、また立場間でフェアではないため、民法の上位特例の消費者契約法で無効取消などの条件が法で定められています。
 全ての国民はくらしの中で消費することは日常です。自己防衛のために消費者契約法やさまざな関連法令を理解することは、生活スタイルを変えることはもとより、大量消費、大量廃棄の商習慣から脱却できることにつながります。

少しでも怪しいと感じた場合は契約はしないで、じっくりと調べてください。
強引に契約させられた場合は、すぐに住民サービスの消費者ホットライン(局番なしの188)へ相談してください。

参考リンク

  • 作成:令和4年5月15日
  • 文:能登健
  • 出典元:総務省、(一社)電気通信事業者協会、楽天モバイル
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    消費者問題と、デジタル分野に詳しい、大阪で活躍するファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ料金相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
    不当な契約があれば解約の上、行政の消費者相談窓口を案内している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。

    社会課題を解決するために、問題と向き合い深掘りし、組織を横断して、時には政府に意見し、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)