【錯誤注意】 「5Gでなきゃイヤだ!!」←整備遅れで行政指導 4Gと5Gの対応スマホの違いを理解して、スマホを使っていますか?

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スマホの料金プランが安くなるのは、なんとなくわかってきたのだけど、

本当に今、5G対応スマホに変えなきゃいけないの?

2年ごとに機種変更する必要はないのはわかったけど、今度は5G対応スマホに変えなきゃってTVCMなどの情報に焦らされるわ!

かをり
かをり
ノッティー
ノッティー

5Gの通信環境はまだまだ整備中です。急いで考える必要なんてありません。

基地局を比較的多く持たない通信会社は、現状の4Gの通信基地局を5Gに転用する予定です。

そうなると、5G対応スマホなら4Gより高速通信ができるようになるのでしょ?

かをり
かをり
ノッティー
ノッティー

そうとは限らないのです。

4Gや5Gの名称は通信規格の世代名称はで、第4世代、第5世代になります。

総務省は、5Gは現状の4Gに対して、「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」を3つの要求事項としています。

皆さんが注目している超高速とは、現状の4Gの通信速度は、下りで最大1Gbps程度で、10倍の速度で下りで最大20Gbps程度通信が可能と規定しています。

ですが、現状の4Gの周波数帯の基地局を5Gに転用した場合は、周波数の特性上で速度は4Gと同じになります。

5Gはなんでもできる可能性を秘めた、夢の超高速通信ではないの?

そんな感じのTVCMをよく見るよ。

それに、携帯電話の電波は5Gにすでに変更されたような理解をしてしまうのだけど…

かをり
かをり
ノッティー
ノッティー

5Gに最適な超高速の通信が可能な周波数帯でなければ、5Gの特徴である超高速通信のサービスは利用できません。

総務省は、全ての要求事項に対応するネットワークを整備する必要はなく、必要な機能、品質を提供するために、既存のネットワークを基本として柔軟な対応が可能としています。

すなわち、通信速度で5Gの3つの要求事項を満足してなくても、1つの要求事項を満たしていれば5Gと表示してしても良いとなっています。

まだ、5Gのエリアは限定的で、どこでも使えると期待できる時期はまだ先です。ですが、5G対応スマホを販売するための誇大広告が横行しています。

スマホの小さな画面で、動画を見るために、100Mbps以上なんて必要ありません。60インチの8Kテレビなら、必要かもしれませんが、それなら安定した固定回線が必要です。

例えば、近くのコンビニに少し買い物行く場合に、徒歩や自転車でいけるのに、「これからは新幹線でコンビニに行けばわずか5秒でいけます!」みたいなことを言ってるのです。

なんだか、5Gが普及整備がされていないのに、夢のような事ができます!って誇大広告で騙そうとしてたの?

なんだか信用できなくなってきたわ!

かをり
かをり
ノッティー
ノッティー

そうですね。

簡単に言うかと、5Gの通信エリアを広げるための費用を、消費者から先に支払わせて、一人ひとりの消費者が使いたいエリアで5Gがいつになったら使えるのか、通信サービス事業者は全く配慮せずに販売しているのです。

なら、今はあえて5G対応スマホにこだわる人用はないのね。

ありがとう、納得したわ。

かをり
かをり
ノッティー
ノッティー

そうです。

今は、操作が使い慣れているスマートフォンを使い続けてください。

5Gはまだまだ整備中

 5Gの通信エリアは、まだまだ整備中で多くの人が集まる駅や大規模施設などから、基地されています。これは全国に徐々に展開する計画ですので、ある時期までに全て変わるというわけではありません。

 また、整備を急ぐことから、当初の5Gの多くは、4Gの周波数の転用して5Gの3つの要求事項のひとつでも満たしていれば「5G」の表示をしても良いとされています。
 すなわち、既存の4Gの周波数帯を5Gに転用した場合は、「4G」の表示がされていたとしても、すぐに「5G」の表示に切り替わり、文字通りの高速通信が出来るとは限りません。ですが、本来あるべき姿の「5G」の周波数帯は障害物に弱いなどの技術課題があり、基地局の展開などまではしばらく時間がかかりそうです。

令和3年6月にソフトバンクに、5Gの整備計画遅れに総務省から行政指導

 令和3年6月2日に、携帯電話の電波を監督する総務省から、「5Gじゃなきゃいやだー!」のTVCMでお馴染みのワイモバイルブランドのソフトバンクに対して、当初の総務省へ提出した5Gの整備計画から実際の遅れに対して文章による行政指導「ソフトバンク株式会社に対する700MHz帯に係る特定基地局の開設計画及び3.4GHz帯に係る特定基地局の開設計画における令和2年度5G特定基地局の開設遅延の改善に関する指導」が行われました。
 実態がともな合わない誇大広告とは、このような行政指導などがあった場合は一般的にはずさんな計画とされ、当該契約者の方は不信感が募るばかりです。

 ちなみに5Gの整備計画では、ソフトバンクは、NTTドコモ、auと比較して、かなり低い数値でどちらかといえば5Gの計画は楽天モバイルとあまり大差はありません。でも通信料金は楽天モバイルよりかなり高額で、いろんな勧誘が猛烈ですね。
 そもそも利益率が高いのであれば通信事業に再投資すべきですが、そこは企業や株主の意向で決まるので、消費者は不利益にならないように、他の選択肢を考えておいた方が良さそうです。

5Gへの整備状況は、どこの会社でも同じというわけではありません

 行政に整備計画書を提出して許認可を得てるにも関わらず、実際には誇大広告ばかりで整備が遅れて行政指導があった事実は、忖度されてほとんど報道されていませんが、是正するよう行政指導は上記のリンク先にあるように、実際に行われています。

 行政指導が実施されるまで似た至った事実を、通信の安定性や支払い料金の債務不履行などに懸念が生じますが、最終的には皆様個人の信頼問題になります。
 “消費者の購買行動が投票行動である”といわれています。他人がどうあれ、自分自身が納得いかなければ、他社に変更して是正を促すことが消費者としての投票行動です。
 離脱していく消費者に危機感を感じて是正するより、離脱しない消費者から経済的搾取がないのかをしっかりと見守る必要があります。

そもそも5Gとは

 総務省は、5Gの通信規格の特徴である、超高速通信、超低遅延通信、多数同時接続の3つの項目に要求事項(満たすべき条件)をそれぞれ規定しています。

5Gの要求事項(4G LTEとの違い)

項目4G LTE5G
通信速度(通信の速さ)下り最大1Gbps程度
上り最大数百Mbps程度
下り20Gbps
上り最大10Gbps
低遅延通信(通信時間差の信頼性)10ms程度1ms程度
多数同時接続(基地局への接続台数)10万台程度/km2100万台程度km2
※いずれも理論上の最大値で、実効値ではありません。
⚫︎出典元:総務省

※この3つ要求事項のうち、1項目でも満たしていれば“真の5G”の性能ではありませんが、「5G」の表示に切り替わります。例えば通信速度が4Gの規格であっても、他で5Gに準拠する規格が1項目でもあれば「5G」の表示に切り替わりますが、通信速度は4Gですので通信速度の向上はありません。

 消費者が「5G」の表示を見たことで「5G」の3つの優れたサービスが利用できていると誤認することから、景品表示法の優良誤認の疑いがあるとして、消費者が勘違いをする懸念がされています。

 ですから、今すぐに5G対応しマートフォンに機種変更しなければ困ることはありません。
 そもそも5Gの導入は、情報化社会が加速するにつれて、通信量が多くなり、新たな電波割り当てや通信規格で対応せざるを得ない時代に備えて政府(総務省)が計画して電気通信事業者が進めています。
 情報化社会が加速して、通信量が多くなる新たな事例としては、超低遅延通信の特性を利用した遠隔医療や自動運転などの新分野があり、スマホに新たに期待できることは高音質の音楽を楽しむ程度です。

 スマホの画面がさらに8Kと同レベルの高精度になっても、利用する人間の肉眼で違いがわかるとは思えませんし、かえってスマホ本体の価格が上がる要因になり、経済的な負担が増えます。

したがって、5G対応のスマホを買い急ぐ必要はありません。

当初は高額な通信料金設定だった5G

 通信大手3社(NTTドコモ、au、ソフトバンク)は、それぞれ4Gの従来の通信料金とは区別して、当初は、5Gは付加価値があるとして高額な通信料金の価格設定をしていました。

 その付加価値の3条件が全て満たされているわけでもなく、全ての地域で活用できるわけでもありませんでしたが、5Gは高額設定にしていたのです。

 ところが楽天モバイルの新規参入で、5Gも低料金の4Gと同価格で提供を開始したため、通信大手3社は5Gの価格帯を4Gと同程度にしました。この後には、楽天モバイルへの契約者の流入が多くなり、従来の殿様商売では消費者が離れていくことがわかり、危機感を感じたからです。

 さらに4Gの提供条件も改善され、楽天モバイルが新規参入したことで、市場競争が始まりました。

消費者にとっては、正常な市場競争が活性化することで、条件や価格面でメリットがあります。


まとめ

 5Gの3つの条件に完全対応している通信エリア内で、その3つの条件に対応している5Gスマートフォンが利用することで、5Gの付加価値が体験できます。
 今はまだ、その通信エリアは限定的で、対応しているスマートフォンも少ないです。

 今は、お使いのスマートフォンをソフトウェアアップデートなどをして大切にお使いいただき、環境が整うのをしばらく待つ方が良いかと思います。

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  • 作成:令和3年5月24日
  • 文:能登健
  • 出典元:総務省
  • 画像:ぱくたそ、いらすとや
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    大阪で活躍する消費者問題と、デジタル分野に詳しいファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ乗換相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。
    課題を解決するために、問題を深掘りし、組織を横断して、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)