10月10日は転倒予防の日! 転倒予防に取り組みましょう!

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たった一度の転倒で寝たきりになることも。

転倒事故の起こりやすい箇所は?

 家の中や家の周りで、つまずいたり滑ったりして転びそうになったことはありませんか。
 年を重ねるにつれて転びやすくなり、骨折などのけがをしやすくなります。
 特に65歳以上の高齢者は要注意です。
 骨折がきっかけで寝たきりになってしまうことも。
 転倒事故が起こりやすい家の中や周囲の危険な箇所をチェックしながら、事故を防ぐための注意点を紹介します。

高齢者にとっての転倒の危険性とは?

 高齢者にとって、転倒・転落は骨折や頭部外傷等の大けがにつながりやすく、それが原因で介護が必要な状態になることもあります。
 たとえ、骨折の症状が軽くても若いときに比べると回復に時間がかかります。さらに、転倒による不安や恐怖で何事にも意欲がわかず、気力がなくなり、活動性が低下し、活動性の低下が転倒リスクの増加を招くという悪循環につながっていきます。

 「令和元年国民生活基礎調査(厚生労働省)」によれば、高齢者の介護が必要となった主な原因は、認知症、脳血管疾患(脳卒中)、高齢による衰弱と続き、「骨折・転倒」が12.5%を占め、4番目の多さです。

 また、「令和元年人口動態統計(厚生労働省)」によれば、高齢者の転倒・転落・墜落による死亡者数は8,774人で、交通事故による死亡者数の3倍以上となります。こうした転倒の危険性を、高齢者本人だけでなく、家族や地域の方など身近にいる方々も気づき意識し転倒事故を防ぎましょう。

転倒の主な原因は?

転倒の主な原因は、次の3点です。

  1. 加齢による身体機能の低下
  2. 病気や薬の影響
  3. 運動不足

 加齢に伴い身体機能が徐々に低下し、筋力、バランス能力、瞬発力、持久力、柔軟性が衰え、とっさの反射的防御動作が、すばやく力強く行えなくなります。
 また、自分自身の予測・期待する動作と現実の動作との間に齟齬が生まれて転倒を引き起こすことがあります。

 また、年を重ねると、いくつもの病気を抱え、何種類も薬を飲んでいる人も少なくありません。
 薬の作用・副作用によって、立ちくらみやふらつく症状が出るなどして転倒しやすい状態になっている場合がありますので、定期的に薬の種類と量を、主治医と薬剤師に相談しましょう。

 さらに、長引くコロナ禍のために、自宅で閉じこもりがちになると、日常的な身体活動が減少して、運動機能や感覚機能が弱まり、その結果、転倒のリスクが高まります。
 転倒を防ぐには、日頃から可能な限り体を動かし、身体機能の維持に努めましょう。

自宅で転倒リスクがある場所は?

 高齢者の転倒事故の多くは、住み慣れた自宅で発生しています。東京消防庁によれば、およそ6割は自宅で転んでおり、具体的な場所は、居間・寝室、玄関、階段・廊下、浴室です。
 こうした実態を知り、身近な場所に転倒リスクがあると意識しましょう。
 そして、高齢者の生活環境を確認し、段差をなくす、雑誌や新聞を片付けるなど少しでも危険を減らし、万が一、転倒しても大けがに至らない工夫をする必要があります。

居間

  1. コードの配線は歩く動線を避ける。壁をはわせるか、部屋の奥にまとめる。
  2. 引っ掛かりやすいカーペットやこたつ布団は使用しない。めくれやすいカーペットの下には滑り止めを敷く。
  3. 床に物を置かない。
  4. 1~2cmの段差はつまずきやすいので、スロープをつけるか、手すりをつける。

玄関

  1. 手すりをつける。
  2. 玄関マットの下には滑り止めを敷く。
  3. 靴の着脱のために椅子を置く。
  4. 上がりかまちが高い場合は踏み台を置く。

廊下・階段

  1. 手すりをつける。
  2. 床に物を置かない。
  3. 転倒の原因になる滑りやすい靴下やスリッパは使用しない。
  4. 足元がよく見えるよう照明を明るくする。
  5. 階段にすべり止めをつける。

ベッド

  1. ベッドを壁に面するように配置し片方からの転落リスクをなくす。
  2. ベッドガードと呼ばれる柵を利用する。
  3. 万が一、転落しても衝撃が緩和できるよう低床のベッドに変更する。
    ※ベッドガードを使用する際には、柵やベッドとのすき間に首や体の一部が挟まらないように注意してください。

浴室

  1. 椅子に座って着替える。
  2. 入口の段差が高い場合は、すのこやスロープで段差を小さくする。
  3. すべりにくい床材にするか、すべり止めマットを敷く。
  4. 手すりをつける。

外出時に転倒リスクがある場所は?

 近所の散歩や買い物でちょっと外へ。
 そんな身近な場所でも転倒しやすい場所があります。
 特に雨の日は、道路や建物内の床が濡れて滑りやすいため注意が必要です。
 また、スーパーなどでの買い物中は商品に気をとられすぎないよう、足元や周囲にも気を付けましょう。
 危険だと感じたらお店の方へ伝え、安全策をとってもらいましょう。

店舗内

  1. 床の水濡れで転倒(雨やケースからの水たれ)。
  2. 商品箱や荷物用台車にぶつかる。
  3. 野菜くずや落下物につまずく。
  4. 階段や段差で転倒。

店舗入口

  • 床の水濡れで転倒(雨など)
  • 段差につまずく
  • マットのふちにつまずく
  • 濡れたスロープで滑って転倒

道路

  • 濡れた道路(雨など)で転倒。
  • 濡れたマンホールのふたやグレーチングで滑って転倒。
  • 歩道と道路の段差につまずく・足を踏み外す。

駐車場

  • 車止めにつまずく。
  • 側溝につまずく。
  • 段差につまずく。

転倒による労働災害が多発しています

 10月10日は日本転倒予防学会が制定する「転倒予防の日」です。

 このたび、厚生労働省と消費者庁は、日本転倒予防学会と協力して、「転倒予防の日」を契機に、国民に対する転倒予防の呼びかけを行うこととしました。

 職場での転倒災害は、令和2年で30,929件(休業4日以上)と労働災害で最も多く、近年増加傾向にあります。今年も前年同期比で約2割増(令和3年9月速報値)と大きく増加しています。転倒災害は、その約6割が休業1か月以上と重症化するものも多く、特に50代以上の女性で多く発生しています。

 転倒予防は、女性や高齢者が益々活躍できる社会の実現のためにも、大変重要な課題です。

 事業者の皆さまにおかれては、「転倒予防の日」を契機に、下記の広報資料を参照の上、事業場での転倒予防の取組を実施していただくようお願いします。

 なお、厚生労働省では、下記参考のとおり、労働災害が特に増加傾向にある小売業(食品スーパー及び総合スーパー)及び介護施設の業界団体に対し、転倒予防の取組を含め労働災害防止の取組の実施を要請しています。


まとめ

 日常生活で転倒は予防や注意深くしていることで、大半は予防できます。

 転倒予防の日だけでなく、日々の生活で気をつけるようにして、事故を防ぎましょう。

参考リンク

  • 作成:令和3年10月9日
  • 文:能登 健
  • 出典元:政府広報オンライン、消費者庁、厚生労働省
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表、ファイナンシャル・プランナー、グラフィック・デザイナー、エンジニアリング・アドバイザー、システムアドミニストレーター、相続診断士、お客様対応専門員(CAP)、消費者啓発活動ボランティア、課題解決型・組織横断型地域ボランティア