【通信契約と活用事例】 スマホデビューに妥当な通信プランは?

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子どもがスマホデビューする時期の悩み

 春は青少年の進学や進級の時期で、スマホデビューするタイミングでもあります。

 子供にはWi-Fi環境でSIMカードの入っていないスマホを使わせていると、スマホデビューするときの通信量の目安がわからないことが問題になってきます。したがって、多くの保護者にとって悩ましい問題であると思います。

 TVCMなどのキャンペーンを見て販売代理店へ言われるがまま契約したり、家電量販店やショッピングモール内の出張店舗で強引な勧誘で契約したりと、消費者の合理的な判断が妨げられ消費者トラブルが多く発生します。

  • 子供だからと通信コストを最低価格帯にすると、子供はスマホを利用して教育や好奇心、趣味などの情報活用する能力などの今後求められるスキルを伸ばすキッカケを妨げることになります。
  • あたりまえにスマホがある時代に育った世代に、通信契約をしくじって通信量の制限が発生すると、子供の成長を妨げることになるのです。

キャンペーンなどの低価格だけで単純に決めるよりより、いつでも子どもとつながりやすい通信品質で通信会社を選ぶことが大事ではありませんか?

 大手通信会社の低価格帯〜中価格帯のプランには通信量に上限があり、高価格帯のみが通信量が無制限となっています。
 大手の後発である楽天モバイルはプランが1種類で通信量は無制限で、通信エリアを急拡大中ですが、使用が許可されている電波が建物内などの障害物に弱く、障害物に強い電波は獲得に向けて奔走中です。そのため、親子で連絡を取りたい時に圏外になっている場合もあります。

子供にスマホを持たせると、つながらない時は心配になります

 単純に通信プランの価格だけで決めるのではなく、スマホの電波のつながりやすさである通信品質が重要になってきます。
 大手通信会社で先行している3社は、同じ通信品質のように家電量販店で価格比較のみで扱われていますが、実際は携帯電話の基地局数に差があり、通信のつながりやすさが影響しています。

国内の電気通信事業者(移動体通信事業者:MNO)の通信品質の現状

⚫︎通信品質(つながりやすさ)に大きく関係のある、各社の基地局の数

電気通信事業者
(移動体通信事業者:MNO)
3G
サービス終了時期
高度化
BWA
4G
LTE
5G
NTTドコモ145,025
※サービス終了予定
2026年3月末
259,53619,716
KDDI
(au、UQモバイル)
47,099
※サービス終了済
2022年3月末
44,612196,10118,041
ソフトバンク
(ワイモバイルを含む)
111,605
※サービス終了予定
2024年1月
66,393171,94039,051
楽天モバイル4G/5Gからの新規参入のため
旧世代サービスの設備なし
44,86611,238
⚫︎出典元:総務省「令和4年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果の概要について
基地局数の調査結果(各免許人に割り当てられた周波数帯ごとの基地局数の調査結果)

 携帯電話の4Gの基地局数では、ドコモが約26万と圧倒的に多く、郊外などの人口密度が少ない場所でも圏外になりにくいことがわかります。
 KDDIは約20万で、ソフトバンクが約17万となります。
 後発の楽天モバイルは、基地局数自体は少ないですが、一般的な周波数帯の割り当て範囲が広いため、現状の実用的な屋外でのつながりやすさでは、ソフトバンクに迫っています。

  • 現状では、つながりやすさで選ぶとドコモの一択になります。
  • 子供に連絡がつかなければ心配になりますので、こればかりは譲れない条件になると思います。

通信量が少ないプランだと外出先でWi-Fiを探すことになり不便

 次に通信量ですが、通信量に上限があり使い切ると低速になるプランでは、子供はスマホがつながるWi-Fiがある場所に移動しようとします。Wi-Fiが利用できる場所が、青少年に好ましいかどうかはわかりません。

 また、子供はいろんなものに好奇心を持ち、スマホで調べようとします。外で見かけた昆虫などの種類や特徴を調べるためには、その場で納得するまで調べることがいいのですが、Wi-Fiが利用できる場所まで移動しなければならなくなると、探究心を妨げ成長に悪影響が発生します。

 ドコモのつながりやすい通信品質であっても価格面で悩ましい問題があり、通信無制限のプランだと高額になります。

 もちろん販売代理店のスタッフは提案してきます。

 実は通信無制限の条件ですが、ショップなどの販売代理店では、通信速度が高速で通信容量無制限のプランになっています。
 高速過ぎる通信速度は本当に必要なのでしょうか?
 実は高速の通信速度は料金プランの比例しているのをご存じですか?

つながりやすいドコモ回線で、高速でない実用性の範囲の通信速度の通信プランがおすすめ

 通信速度が高速でなく実用上使える中速(1.5Mbps)の通信プランが、ドコモ回線を使った他社サービスであるのです。

 ドコモなど大手の通信会社では提供していない通信速度が中速(1.5Mbps)で、通信量が無制限の通信プランが望ましいでしょう。

 大手3社の回線を利用して、MVNO(仮想移動体通信事業者)をしているMVNO大手のマイネオドコモ回線を利用したDプランの音声通話+データ通信のデュアルタイプの1GBプラン(月額1,298円)に、パケット放題Plus(月額385円)のオプションを付けることで、中速(最大1.5Mbps)で無制限に通信ができます。※3日で10GBを超えると通信速度の制限が発生します。

 以下はマイネオの料金プランとパケット放題Plusの説明です。
 おすすめはドコモ回線のDプランで、【基本契約】音声通話+データ通信の1GBに【オプション契約】パケット放題Plusの組み合わせです。
 他社と比較して複雑な割引条件なしに通信無制限が税込1,700円で、キャンペーン期間の4ヶ月は500円以下で利用できます。

⚫︎青少年が通信量無制限でスマホデビューする場合のおすすめプラン

項目内容
通信会社名称ケイ・オプティコム
サービス名称マイネオ(mineo)
① 基本プラン音声通話+データ通信
(デュアルタイプ)
利用回線Dプラン
(NTTドコモ)
基本通信容量1GB
② オプション名パケット放題Plus
385円/月
オプション利用時の
節約モード通信速度
最大1.5Mbps
注意事項節約モード連続3日で
10GB利用で速度制限
③ オプション名5G通信オプション
0円/月
④ オプション名
※青少年向け
安心フィルタリング
日本PTA全国協議会推奨
385円/月
基本料金 ①1,298円/月
オプション料金
②+③+④
770円/月
月額料金合計 [青少年]
①+②+③+④
2,068円/月
※値引き等条件なし
月額料金合計
①+②+③
1,683円/月
※値引き等条件なし
キャンペーン⚫︎基本料金から1,188円値引き
⚫︎最大4ヶ月間495〜889円/月で
通信無制限が利用可能利用

※2023年5月31日まで
↑通信量無制限でスマホデビューする場合のおすすめプラン
↑マイネオのパケット放題Plusの通信速度(1.5Mbps)で利用できるサービスの目安
  • 通信量の無制限化と実用ベースの通信速度で、子供の好奇心や探究心を満たすことができます。
  • 子供の成長期にはかかせないものになり、それで得た経験の積み重ねが将来の選択肢を増やします。
  • 多様な考え方を受け入れるなど、グローバルな時代に適した人材に成長しやすくなります。

お客さまの成長過程のお子さんにに提案した事例

 2年ほど前に、中学生の息子さんがおられる母親からのスマホの料金相談をしていた時に、息子さんの話になり、私が以前に使っていたiPad第5世代セルラーモデルをプレゼントしました。

 iPad第5世代セルラーモデルにはSIMカードを使って通信ができるので、お子さんには適切だと思ったのです。
 そして、通信プランはマイネオのドコモ回線(Dプラン)のデータ通信(シングルタイプ)1GBでパケット放題Plusを付けたものを提案しました。母親はその場でiPhoneで契約していました。
※パケット放題Plusは基本データ容量3GB以下の(シングルタイプ)での新規申し込みは終了しています。

 しばらく経って再度お会いした際に、母親にお子さんのiPadの使用状況について教えてもらいました。

 中学生の息子さんは、どこに行くにもiPadを持って行っています。そして月の通信量は90GBほど利用されてました。とても活用していることがわかりました。
 そしてIT系に特化したコースがある高校へ進学するために、自ら自発的に高校を探し、入学が決まりました。

このように青少年は、成長過程であるがゆえに、情報の吸収力が高く、スマホなどで情報活用を自ら応用することで、のちの子どもの人生に大きく影響します。

青少年にはフィルタリング(有害サイトアクセス制限サービス)が必要

 青少年が実際の年齢で使えないSNSアプリや、犯罪を誘発するサイトなど有害サービスへのアクセスを遮断するフィルタリングサービスが、通信契約の契約時には販売側に説明義務があり、また保護者はそのサービスを利用することで、有害サイトなどへの制限された状態で安心して子どもに利用させることができます。

 iPhoneの場合は、利用する青少年の生年月日などを正確に入力し、保護者のiPhoneとファミリー設定をすることで、年齢制限があるアプリの利用を防ぐことが可能です。

事件や犯罪などトラブルに巻き込まれないためには、フィルタリングを利用することを強くお勧めします。
※保護者の同意なしでは解除できません。


まとめ

 子供のスマホデビューの時期には、何かと出費が多く、またスマホデビューだけではなく入学進級などの準備で作業が増大します。

 そこで、TVCMと店舗の勧誘で、さらにキャンペーン中で最初のある期間だけはかなり安く見せています。

 このような本当は安くない契約をキャンペーンで安く見せて、合理的は判断ができない状態で、済ませてしまう事が多くあります。そうなると出費がかなり増えますので後で請求書が来た時に驚くことになるでしょう。

 子どもにスマホデビューさせるにあたり、通信量の制限はするべきではありません。だからと大手通信会社の無制限プランに入るのは違います。そこは家計と相談して工夫することが自立した大人に求められる判断で、子どもはその様子を見ています。

 また、青少年向けのフィルタリングは実質的に義務化されているので、ネットを通じた様々なリスクから子どもをまもるには、フィルタリングは必要です。

 悪質な勧誘で消費者トラブル被害にあうと、子どもはその親のとった行動を見ています。また事前に比較検討する様子も子供は親を見ています。

 今回の話の中のドコモ回線のマイネオの通信無制限プランは、ほんの一例にすぎません。

 関心を持って自発的に探せば、他にも適切なプランが出てくるかもしれませんが、実際に私が使っていて多くの事を求めてませんので、不便はあまりません。契約内容を理解して使うことが大切です。

  • 今の子どもは小学3年生から高校にかけて、文部省の学習指導要領に基づいて、消費者教育を受けていますのでよく考えます。消費者教育を受けていないなくて騙されるのは大人だけです。その親の行動は、常に子どもに見られており、騙されたり比較検討もせずに買い物をする親を見て、家族の関係に問題が生じることが多くあります。
  • 親は大人としてお金を使うだけではなく、臨機応変な合理的な判断力が求められており、常に子どもに影響する事を決して忘れてはなりません。

参考リンク

  • 作成:令和5年3月20日
  • 文:能登健
  • 出典元:総務省、ドコモ、KDDI(au、UQモバイル、povoを含む)、ソフトバンク(ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOを含む)、楽天モバイル、マイネオ
  • 画像:いらすとや
能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表
    消費者問題と、デジタル分野に詳しい、大阪で活躍するファイナンシャルプランナー
     
    主にスマホ料金相談事業者として、消費者に寄り添った対応で、利用プランと支払い額の最適化を実施し、余分な支払いを削減している。
    不当な契約があれば解約の上、行政の消費者相談窓口を案内している。
     
    化学プラント設備メーカー、産業用エンジンメーカーの商品開発(防災用発電設備)のプロジェクトリーダー・マネージャーなどを経て、現在に至る。

    社会課題を解決するために、問題と向き合い深掘りし、組織を横断して、時には政府に意見し、さまざまな問題に対応し、解決へ導くことをライフワークとしている。
     
    ファイナンシャルプランナー(国家資格:FP技能士)、情報処理技術者試験 初級システムアドミニストレーター(国家試験)、相続診断士(相続診断協会)、お客様対応専門員(消費者庁後援)、色彩検定2級(文部科学省後援)
    デジタル推進委員(デジタル庁)、食品ロス削減推進サポーター(消費者庁)