【2つの支払期間に注意】 ホームルーターのWi-Fiの速度が低下した頃に次の勧誘電話が…24ヶ月契約期間と、36回分割払いのワナに注意!
自宅のWi-Fiの契約が2年を迎えてから、通信速度が急に低速になったりしだしたのよ。
なぜなのかな?
それは、「工事がいらない」コンセントに繋げるだけで、簡単に自宅でWi-Fiができるというキャッチフレーズで、売り込んでいるサービスのことですか?
そうよ!
2年契約だから支払いが終わった頃に、ちょうど代理店から電話がかかってきて、新しいホームルーターへの変更を勧められたの。
新しいホームルーターに変更すれば、速度が速くなるって説明されたから、どうしようか迷ってるのよ。
そのホームルーターのサービスの契約が24ヶ月更新で、ホームルーター本体の支払いは36回の分割払いなので、ホームルーターの支払いはまだ終わってないですね。
その状態で新しいホームルーターに変更すると、現在お使いのホームルーターの割引特典が無くなります。
残りの期間はしっかりと全額支払いながら、新しいホームルーターの分割払いが発生して、多重債務になりますね。
えっ!そうなの?
まだ支払いが残っていたのに、平気で新しいホームルーターに更新するように勧誘されたってこと?
悪質すぎて、なんだかこわい!
どうすればいいの?
ホームルーターの通信速度が低下して、24ヶ月経過して通信契約の更新の頃にタイミングよく勧誘の電話が来るのですね。
スマホの契約の上に、さらにホームルーターの契約で、ホームルーターの36回払いだけ支払い終了時期ずらして、複雑なタイミングで勧誘されて混乱したら、永遠に本体の支払いは終わりませんね。
それに、ホームルーターの契約当初に、速度が著しく低下する場合があると、説明がありましたか?
通信を止めてない限り、速度は低速でも「無制限」と言えるので、通信速度などの品質が問題なのです。
電気通信事業法では、基本説明事項で、契約当初に書面で説明して書面交付義務があります。
そんな説明は受けてないし、そんな書面ももらっていないわ。
それは、電気通信事業法に違反してますし、そもそも消費者契約法の「不利益事実の不告知」ですね。
その契約は当初から無効だったことが主張できますので、無効取消権を行使してください。
事業者側は商品やサービスの内容をよく知っていますが、消費者側はわかっていません。
そもそも事業者と消費者との間の契約はフェアではないのです。そこで、他の法律より特別に消費者を守るために、悪質な契約を無効とする条件があるのです。
そんなの、私は専門家ではないから、よくわからないわ。
消費者庁のウェブサイトに消費者契約法のパンフレットがあります。
それを印刷して持っていけば、無効取り消しできます。
私は何度か被害を受けた契約者の取消権行使に同行しましたから、大丈夫ですよ。
そもそもの契約が無効だったことになり、最初から契約そのものがなかったことになりますので、解約ではないのです。
でも、私ひとりでそんなの交渉できないわ。
心細いから一緒についてきてよ。
わかりました。
消費者契約法のパンフレットの内容はわかりやすいので、読まれてから契約した代理店に行って、パンフレットで説明しながら無効取消権を行使してください。
わかったわ。
でもWi-Fiがなくなると困るわ。
その場合は、光回線を利用した方が、長い目で見れば、速度は安定していますし価格も安いですよ。
ただ、ホームルーターの導入の手軽さと比較して、工事などが必要なので、利用できるまでに少し時間がかかります。
マンションなどの集合住宅の場合は、すでに光回線の工事が完了していて、各自に契約するだけの状態なのです。
残念ながら、それを知らない消費者の弱みに付け込んで、ホームルーターの開通の手軽さだけを考えて、割高な支払いを代理店の勧誘で続けていたことになりますね。
本当に残念でなりません。
そうなの、知らないことは調べなかったら、騙されて痛い目にあうことはわかったわ。
消費者庁の消費者契約法のパンフレットをダウンロードして、コンビニで印刷して確認しておくわ。
そうですね。
事業者側が情報量と交渉力、経済力(誇大広告など)が、消費者側と比較して圧倒的に優位であるので、勧誘や契約はフェアではありません。
ですので、消費者契約法や電気通信事業法で消費者は保護されているのです。
でも、その特別に守られている消費者保護の法律やルールの存在すら、知らない消費者である国民が大多数なので、消費者被害が多発しています。
全国の消費者行政への通信サービスの相談件数は、他の分野と比較して、突出して多く、消費者行政である相談窓口はひっ迫してて、対応が追いついていない状態ですね。
例えるならば、コロナ重症患者の受け入れ先がひっ迫している医療体制と同じで、消費者問題の緊急事態宣言が発出されてもおかしくありませんが、みなさん泣き寝入りや妥協して支払ってますね。
そうよね。
どうしても事業者側が大きすぎるから、自分自身を責めて、すぐに妥協して泣き寝入りしてしまうわ。
でも、消費者の側を保護する社会の仕組みがあったのね。
知らなくて恥ずかしくなったわ。
助かったわ。ありがとう。
ホームルーターは障害物などに弱い電波を利用しています
ソフトバンクが販売しているホームルーター(SoftBank Air)は、スマートフォンに利用している電波とは異なり、直進性が高く通信速度は速いですが、障害物に弱い周波数のものです。ですので自宅内では電波が十分に届かない場合があります。
ホームルーターの通信サービスの会社のスマートフォンが繋がるエリアとは、異なる周波数の電波を利用しているため関係がありません。
障害物に弱い電波ですから、周辺環境に左右されやすく、導入当初へ高速で通信できても、後にその住所周辺にホームルーターの契約者が増えれば、速度は低下します。また後に周辺に新たな建築物が増えた場合は、通信速度に影響が発生する場合があります。
固定回線の方が価格や通信速度で条件が良いのですが、開通に歳して簡単な工事が発生したり、開通までに時間がかかることがあります。
固定回線の開通までの処理をわずらわしく感じている消費者に付け込み、固定回線より価格や通信速度で劣るホームルーターを勧めて、結果的に消費者の不利益が発生している場合があります。
ホームルーターの2つの支払い期間に注意
※この消費者トラブルの例は、ソフトバンクエアーを事例としており、他社のホームルーター(ドコモのhome 5GやKDDIグループのSPEED Wi-Fi HOMEシリーズ、楽天モバイルのAtermシリーズのことではありません。
ホームルーターを利用開始する場合は、①ホームルーターの通信契約の拘束期間(24ヶ月)と、②ホームルーターの本体価格の分割支払い(36ヶ月)があります。
※36回分割払い時にのみ割引などが設定されている場合があります。
消費者が2つの支払い期間がある事を理解していなく、通信契約の24ヶ月が終わった頃に新しいホームルーターを更新して、従来利用していたホームルーターの支払い終えていない残金の12ヶ月分は、当然ですが上乗せして支払うことになります。
月額払いにしたら、わずかな金額で、支払い期間も少ないと軽んじている人ほど、つけ込まれて毎月の支払額が数万円になっているのです。
スマートフォンとホームルーター、その他のオプションなど、各種の割引などで請求内容が複雑になっています。
請求内容を理解できていない消費者に付け込んで、ホームルーター本体の支払い残額が残っていても新たにホームルーターの本体の販売契約を勧誘することは、故意に消費者の不利益を発生させていることになります。
電気通信事業法の消費者保護ルールのガイドラインでは、「適合性の原則」すなわち、勧誘や契約時には、消費者の理解レベルに応じた説明をすることが代理店などに義務付けられています。
違約金など「隠れ負債」にも注意
ホームルーターの契約では通信速度のトラブルや拘束契約期間など複雑で、消費者が解約を申し出る場合が少なくありません。
本体価格の分割払いを全て終える前に解約をする場合は、残りの分割払い額を一括請求されます。
ホームルーターの通信サービスの利用に際しては、2年契約の更新になっていて、契約期間満了の月以外で解約した場合は、10,000円以上の解約料が必要です。
固定回線では回線の開通までには工事が必要です。電柱からの工事を実施する場合や、既に利用している回線を利用して終端装置を交換するだけのものがあります。
工事費は初月に請求される場合や、数年間の契約継続で工事費が免除される場合があります。
解約する際は、回線撤去工事必要となる場合があります。その場合は回線撤去工事費と、契約期間が拘束されてれば、違約金が発生います。
固定回線として高速通信サービスを利用する目的であれば、ホームルーターではなく光回線などの固定回線の利用を強くお勧めします。
固定回線は本当に工事が大変なの?
ほとんどのひとり暮らし向けの集合住宅の入居時には、固定回線が利用できるようになっています。
集合住宅向けの固定回線の利用料金は、通常より低価格で、複雑な契約期間の拘束や通信が安定しないホームルーターよりもかなり割安で利用可能です。
戸建て住宅の場合は、個別に工事をするため開通までには時間がかかりますが、圧倒的な通信速度の速さと抜群の安定性で、ホームルーターよりも品質が高いものが多いです。
ホームルーターの勧誘広告では、工事が大掛かりでわずらわしく、時間もかかるとデメリットだけを誇大広告で告知しています。
そもそも無線電波を利用している携帯電話を応用したホームルーターと、固定回線を比較すると通信速度と安定性など品質から、ホームルーターは経済的利益を度返しした臨時的な特殊な用途になります。通常の個人の自宅に継続して利用するには向いていません。
まとめ
自宅で利用する通信回線の契約時には、手軽さだけで決めるのではなく、長期間を自宅の通信設備として、携帯電話やスマートフォンのように簡単に考えるのではく、価格や通信の安定性や速度など、失敗した時の違約金などを総合的に考慮して判断する必要があります。
契約検討時には、必ず4年以上程度の長期間での総支払い金額を考慮してから、検討しましょう。
※電気通信事業法では長期間の支払額を書面で説明する義務があります。
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- 作成:令和3年4月26日
- 文:能登健
- 出典元:消費者契約法、電気通信事業法、NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル
- 画像:いらすとや