【消費者庁が行政処分】栄養補助食品などの連鎖販売取引(マルチ商法)で不実告知(ウソを事実と偽って説明)、断定的判断の提供(必ず儲かると説明し勧誘)

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 消費者庁は栄養補助食品を連鎖販売取引の事業者(リーウェイジャパン株式会社)に対して、契約時に説明した商品の効果に合理的な根拠を示す資料が無かったとして、令和3年8月3日から令和4年2月2日までの期間を、連鎖販売取引での勧誘や契約申込などの取引を業務停止を命ずる行政処分がされました。

 栄養補助食品の無店舗での勧誘の際に、ガン、ヘルペス、アトピー、糖尿病、関節痛、難病など、万病に改善効果があると説明して、勧誘販売していました。

 実際は、消費者庁から合理的な根拠を示す資料の提示を求められましたが、万病に改善効果があるとされる回答を示すことができなかったため、不実告知(事実ではない内容を、事実として説明し、契約の動機を形成させた)、また断定的判断の提供(必ず儲かるなど、契約の動機の形成に働きかけた)で、特定商取引法の違法行為に該当し、業務停止命令が下されました。

拡大する違法な連鎖販売取引(MLM)ビジネス

 この事業者は、令和元年以降に簡単に儲かる話で財産被害にあった被害者の間で、流行ったものです。他の儲け話で騙されて、被害が出たら、自分自身が簡単に結果だけを求め、前回の反省することなく、他の儲け話で取り返そうと一気に広がったのです。

 この事業者の幹部には、他の儲け話で被害を発生させたセミナー説明などをしていた人物が名を連ねており、あたかも確実に儲かる話であるように説明することには長けていたのです。※違法行為

 その人物に、騙されて経済的な被害が発生していたにも関わらず、再度勧誘されて他人への勧誘に熱心にされている方もおられました。

連鎖販売取引(MLM:いわゆるマルチ商法)の手口

 このような連鎖販売取引は、MLM(マルチ・レベ・マーケティング)とも呼ばれ、いわゆるマルチ商法です。最近では当事者たちは「マルチ」というキーワードを使わずに、に、「ネットワークビジネス」、「自宅で簡単にできるビジネス」など、さまざまな呼び方に変えていますが、実態は連鎖販売取引と同じです。

 勧誘者は大学や知人、ママ友などの身近なコミュニティを使って、「商品が圧倒的に良く他にない効果や効能が得られるので、誰でも簡単に売れて必ず儲かる」と、圧倒的な自信を持ち、自らの利益だけのためにセミナーに勧誘してきます。※違法行為 

 連鎖販売取引を行うことは規制されていませんが、勧誘や説明、契約やクーリングオフなどで業務内容ごとに厳しく法規制がされています。これは過去に様々な消費者被害があったため、ありとあらゆる部分で法規制がされています。
 勧誘者はこのことは理解していなく、事業者や上位勧誘者から「このように勧誘すれば問題ない」と教えられて理解しているために、強引に勧誘を繰り返してくるのです。

 勧誘を受けた人は、人間関係を複雑にしたくないことから、ハッキリと断る意思表示が難しいものです。また勧誘する側は熱意を込めて説明するので圧倒されます。

 何度も勧誘された側は、手持ちの資金がないことを勧誘者に伝えると、「キャッシングで借金をしても簡単に儲かるので、すぐに全額返済できる」と、多額の借金をさせてまで契約させようとします。※違法行為

 契約するとまた勧誘してきた人物に紹介した報酬として販売規模に応じて配当が支払われる。「キチンと支払いがあるなら大丈夫かな?」と、なんとなく契約して、連鎖の裾野を拡大していきます。

この事案の具体的な手口の例

 この事案は、「何にでも改善効果があり、クレジットカードのキャッシング枠で運用しても必ず儲かる。仮に売れなかっても自分で使用すると若返り健康になるので無駄になることははない。」と熱心に勧誘される方もおられました。

 台湾の世界的に有名な大富豪が事業に参加していることや、日本での事業規模が既に大規模になっているなど、圧倒するような勧誘で夢のような話ばかりしてきます。
 そして、勧誘者は定期的に集まって儲かった時の夢について語り合い、夢を実現するための結束を固めます。

 大阪にも拠点が出来て、そこの上位メンバーになれるので尚更いまがチャンスと、契約を焦らせるようにたたみかけます。
 実際には、後にApple心斎橋の入るビルの上部階の一室に大阪の拠点を構えました。ここに拠点を構える理由は、周囲が高級ブランドのブティックが多く、大規模に稼げる夢を見させるためのものです。

深刻な社会に悪影響を及ぼす悪質事業者

 この事案の問題は年齢層が幅広いことであり、今後は他の違法行為で立件されていくと見ています。
 違反行為による勧誘であったため契約は無効になり、返金に応じる必要がありますが、実際にはこのような連鎖販売取引で不実告知をする事業者は、最初から行政処分で事業が停止するまでを最初から考えていることから、返金などの経済的な補償に耐えれる経済力は業務停止時にはほぼありません。
 このような事案の利益などは、最初から高級ホテルでの勧誘セミナーや士気を高めるための表彰式に使われており、持続可能な事業モデルではないのです。

 関わっていた方の多くは、破壊された人間関係と、経済的被害や失墜した信用を背負って、後の人生を背負っていくことになります。

 お金に困っている人は、お金でしか人を見えないため、信頼性や手法の違法性にはあまり関心がありません。
 何度も騙されて、詐欺師が関わっている被害者の会でさらにカモにされるほと、儲かる話で起死回生に依存しているのです。
 「この案件は大丈夫ですか?」と他人に尋ねて、尋ねる時点で既に始めていたりしてます。これではまるで依存症のようで、周囲もとても振り回されることになります

 この事業者だけにとどまらず、幹細胞での再生を訴求している通信販売や連鎖販売取引のサプリメントや化粧品は、本事案と同様に合理的な根拠を示すことが出来ない場合は、消費者庁から行政処分される可能性があるかもしれません。

消費者庁は、「PURTIER PLACENTA」(パーティアプラセンタ)と称する鹿の胎盤(プラセンタ)が主成分であるとする栄養補助食品等を販売するリーウェイジャパン株式会社(本店所在地:東京都港区)(以下「リーウェイジャパン」といいます。)に対し、令和3年8月2日、特定商取引法第39条第1項の規定に基づき、令和3年8月3日から令和4年2月2日までの6か月間、連鎖販売取引に係る取引の一部等(勧誘(勧誘者に行わせることも含みます。申込受付も同じ。)、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。

あわせて、消費者庁は、リーウェイジャパンに対し、特定商取引法第38条第1項の規定に基づき、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築することなどを指示しました。

また、消費者庁は、リーウェイジャパンの代表取締役である林汶鋒及びゼネラルマネージャーである陳建欣に対し、特定商取引法第39条の2第1項の規定に基づき、令和3年8月3日から令和4年2月2日までの6か月間、本件取引等停止命令により取引等の停止を命ずる範囲の連鎖販売取引に係る業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含みます。)の禁止を命じました。

消費者庁 連鎖販売業者【リーウェイジャパン株式会社】に対する行政処分について

筆者の独自長期調査の概要

 筆者が、令和元年7月にとある信頼できるルートの協力から、末端の勧誘者に接触し、令和元年8月にリーウェイの関係者から勧誘の実態を調査すべく特殊な手段を用いて接触してやり取りをしていました。当然ですが、筆者は契約する気もさらさらなく、のめり込む勧誘者の実態を把握するために接触しました。

 筆者の背景を質問することなく、前のめりに手当たり次第に勧誘している事が分かります。

 この勧誘のやり取りを公表する意義は、“間違いなくれる儲かるビジネスであり、既に多くの人がかなりの金額を儲けている”と説明された内容の流れを怪しいも感じて、財産被害や人間関係の被害、信用失墜の未然防止をしてもらうためです。

 2年間注視してきた事案で業務停止命令の行政処分が命じられたことで、公開に踏み切りました。

※画像は勧誘者と筆者とのメッセージアプリでのやり取りです。
※継続して調査中、捜査中のため筆者と直接の勧誘者、セミナー会場は白で伏せています。他の同じ色の箇所は同じ人物で、重要人物は赤で伏せています。
※何度も同じ勧誘内容の繰り返しがあったので省略している部分があります。

 「絶対に儲かる!」「ガンや糖尿病、アトピー、ヘルペスなどほぼ何にでも効能がある」「治療ではなくて全く新しい概念である再生なので、何にでも効能がある」は特定商取引法の連鎖販売取引の不実告知(法34条1項)と断定的判断の提供(法38条1項2号)の違反の事実が、筆者との熱心な勧誘者のやり取りの中で、繰り返しありました。
 さらにセミナーに参加したかを確認の電話までしてきました。もちろん電話は受けませんでした。今はその彼にLINEをしても全く既読はつきません。

 このように筆者を必死に勧誘して、筆者を勧誘者の下に付けたい思いが強すぎるあまり、勧誘の際に平気でウソを織り混ぜるのです。これは違法行為なのですが、それよりも目先のお金への執着が強すぎて、このように何度も繰り返しの勧誘が繰り返されるのです。

勧誘にはハッキリと断りましょう

 周囲から結果はわかっていたとしても、本人にはお金と組織の上位の方にマインドコントロールされているので、やめさせようとしても逆効果で、組織に相談を持ちかけて余計にそのビジネスにハマっていきます。
 そして組織に対してネガティブな人とは関わらないようにと、孤立して視野と選択肢が狭くなるのです。

 現行の消費者行政の法制度では、連鎖販売取引はマインドコントロールを解く手立てはなく、罰則しか存在しないため、根本的な解決策になっていないのが現状です。

 ですからなおさら、自分自身の未然防止が重要になってきます。勧誘してきた人との人間関係が壊れますが、勧誘してきている時点であなたを利用しようとマインドコントロールされています。勧誘者を説得して、マインドコントロールから開放させることは容易ではありません。ハッキリと断る勇気を持ちましょう。
 一度断った後の再勧誘は禁止されています。


まとめ

 わずかなお金に困っている人間の弱みや心の隙をついて、セミナーにて夢を持たせて完全に勧誘するようにスタッフに仕立て上げ、そして利用されるだ利用され、最後は騙されたと泣きついてきます。

 現状では違反行為があったとされるだけで、この種のマインドコントロールや依存症のセーフティーネットや対策は国内ではありません。このような勧誘があった場合は、しっかりと距離をとるしかないのが現状です。

何かあれば消費者ホットライン(局番なしの188)へ相談していただくか、消費者庁の特定商取引法違反被疑情報提供フォームにて、情報提供することをお勧めします。

参考リンク

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  • 作成:令和3年8月10日
  • 文:能登健
  • 出典元:消費者庁
  • 画像:ぱくたそ、いらすとや

能登 健
  • 能登 健
  • オフィスまちかど 代表、ファイナンシャル・プランナー、グラフィック・デザイナー、エンジニアリング・アドバイザー、システムアドミニストレーター、相続診断士、お客様対応専門員(CAP)、消費者啓発活動ボランティア、課題解決型・組織横断型地域ボランティア